杉山淳一の時事日想:
「青春18きっぷ廃止」――このきっぷには、そんな噂がついてまわる。その噂の根拠は共通して「JRグループが青春18きっぷを嫌っている」という憶測だ。例えば「青春18きっぷは安すぎて、正規運賃のきっぷが売れない(はず)」「青春18きっぷ利用者が特定の人気列車に殺到するためクレームが出ている(はず)」「相互乗り入れ路線などで、JRと第三セクターなどの区別がつかず無賃乗車するなどのトラブルがある(はず)」「きっぷのルールを知らない利用客に現場が迷惑している(はず)」などである。
いかにもありそうな話であり、ネットの掲示板などでは鉄道職員として本音を吐露したという雰囲気の書き込みも見受けられた。匿名だから本当に職員かどうかは分からない。もし本当に鉄道職員なら、その鉄道会社は社員に対してコンプライアンス教育を徹底したほうがよさそうだ。とはいえ、これらの話は「いかにもありそうなこと」で、噂として広まるには十分な力を持っている。しかし前回、私が述べたように、根拠があいまいで、しかも匿名の現場の声くらいでは、年商60億円の青春18きっぷはなくならない。
●安すぎるからなくなる?
「青春18きっぷが安すぎる」は同感で、だからこそ売れている。しかし、青春18きっぷの発売期間は新幹線や特急列車が増発されており、満席となる列車も多い。つまり、この時期は旅客全体が増えている。「青春18きっぷのせいで定期特急列車まで空席になる」と言うなら弊害だ。しかし報道や利用実績のプレスリリースからはその傾向が見えない。むしろ、鉄道から格安ツアーバスなどへ流出する顧客を、青春18きっぷが食い止めているかもしれない。まあ、これも憶測ではあるが。
ツアーバスと言えば、ある大手ツアーバス会社の社長が「私たちは既存の交通機関と競合したいわけではない。新規需要を開拓したと思っている」と発言していた。「この値段なら出かけよう」という隠れた需要があったとのこと。それを言うなら、「青春18きっぷがあるから列車に乗ろう」という人だって多いはずだ。本当に安すぎて問題だと言うなら、企業が選択する解決は「廃止」ではなく「値上げ」である。避けてほしいけれど。
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http://news.livedoor.com/article/detail/6419135/
─情報元:Business Media 誠サイト様─