2011年12月10日土曜日

パソコンを生み、育て、葬った男

2011年10月5日、アップルの創業者で会長のスティーブ・ジョブズが死去した(享年56歳)。アップル本社はもちろん、世界中の直営店には花束や彼への追悼のメッセージが寄せられ、まるで、偉大なロックスターの死を悼むかのような騒ぎだった。これを見て経営者の逝去が、どうして、これほどの騒ぎになるのか疑問に思った人もいただろう。だが、彼こそが、今の時代を歌った偉大なロックスターだった。

今日、街中を歩くと年齢性別を問わず、そこかしこでスマートフォンについての話題を話し合っている。数年前はiPodが同じ状態で、その後、世界中に、あの白いヘッドホンの老若男女があふれ出した。いずれはiPadの話題が同様に世界を包むだろう。

「時々、革命的な製品が出てきてすべてを変えてしまう」


彼はそうやって時代をつくり続けてきた。1970年代に、いわゆるパソコンの元祖を生み出した後、それをマウスで操作できる今日の形に進化させ、晩年にはパソコンを過去の遺物へと追いやるポストPC機器、iPadを世に送り出した。

彼が生み出してきたこうした作品の多くは、数モデルでおしまいの一過性の製品ではなく、後に多数の追随企業を生み、社会現象まで巻き起こすようなものばかりだった。彼はまさに21世紀初頭の我々のデジタルライフスタイルを彩り続けてきたのだ。

それだけではない。一見、アップルに直接関係のないように見えるものの中にも、彼の力無くしては生まれなかったかもしれないものが多い。今日では当たり前となった、DTPの技術で作られる本や雑誌に始まり、インターネットのWebページ、今や定番となったコンピューターアニメーションの映画、マイナーバンドでも世界中で楽曲を売ることができるiTunes Store、たった1人のプログラマーでも2億5000万人以上のユーザーを対象に自作アプリケーションを売ることができるiPhone/iPadのApp Store。彼が生み出した、こうした革命が、世界中の人々のクリエイティビティをたき付け、我々が生きる時代の文化を形作ってきた。

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/book/20111205/224862/
─情報元:日経ビジネスオンラインサイト様─