2012年8月21日火曜日

年を取るほど時間は早く経つ?


大人になってからたびたび感じることだが、少年時代の1日というのは、いま体感する1日よりも、もっとずっと長かった気がしてならない。まして1カ月、あるいは1年というのは、いっそう長大な時間に感じられたものだ。

人は年を取るほど時間の経過が早く感じるようにできているという噂も耳にするが、脳科学の世界ではどう考えられているのだろうか? オスロ大学・認知機能研究センターの末神翔先生に真相を確かめてみた。

「年を取るほど時間の経過が早く感じられるという感覚は、じつは50年以上も前から議論されてきたテーマです。これは国や文化を超えた感覚のようですね」


やはりこの不思議な感覚は、全国…いや全世界に共通するものなのだ。しかし、その奇妙なメカニズムは、いまだはっきりとは解明されていないのだと末神先生は語る。そのうえで、現時点で有力なのは次のような説だという。

「歳を重ねることは、身体機能や脳機能はもちろん、“過去の記憶”の量、社会環境や人間関係など多くの変化を引き起こします。脳科学の世界では、これらの要因が複雑に影響し、主観的な時間の感覚を変化させるもの、と考えられています。たとえば、加齢にともなって身体機能や脳機能が低下すると、どうしても一つ一つの判断や行動にかかる時間が長くなってしまいます。そうすると、1日の仕事や行動量が減り、相対的に1日が短く感じられるようになるかもしれません」

また、末神先生によれば、昨年フランスとアメリカが共同で行った研究で、人は体を使う課題に取り組んだ時は時間を長く感じ、頭を使う課題に取り組んだ時は時間を短く感じるとの結果が得られたという。これは真相解明に向け、大きなヒントになりそう。

今後の研究の進展に期待したいが、少なくともいまの1分1秒を大切にする意識だけは持っておきたいものだ。

http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120806-00025287-r25
─情報元:web R25サイト様─