2013年6月5日水曜日

料理の「さしすせそ」って何?って聞かれたら、得意になって「それは料理するときに調味料を入れる順番だよ」と答えているあなた、それ本当ですか?

砂糖の「さ」、塩の「し」、酢「す」、醤油(せうゆ)の「せ」、味噌の「そ」。調味料はこの「さしすせそ」の順番で入れるのが美味しい料理を作る秘訣だというのは半ば常識になっていますが、それに異を唱える人がいます。

「『さしすせそ』は嘘です」

そう話すのはジャパンローカルフード協会会長の松田正明さん。

「砂糖を入れると浸透圧の影響で素材にお出汁の味が染み込まなくなりますので、最初に入れた方がいいというのは嘘です。入れるとしたら最後です」
浸透圧とか科学的なことを言われると説得されてしまいそう。でも昔から言われている「さしすせそ」にもそれなりの合理性があるのでは?

「いえ、そもそも本来日本料理に砂糖はほとんど使われないんです。料亭で砂糖を使うところはほとんどないのではないでしょうか」
しかしそれは十分に甘みのある高級食材を使う料亭ならではじゃないんですか?


「昔は砂糖は高級なもので、庶民が使えないものでした。たとえば私が育った香川県の地方では野菜の切れ端を煮出して甘みをとっていました。砂糖は甘味の濃淡を画一的に出すだけですが、この方法だとグルタミン酸も一緒にでるので旨味もでるんです。砂糖を使わないで料理をした方が料理上手になりますよ」

ほう。納得。それでは家庭で美味しい料理を作ろうとしたら、どういうことに気を付ければいいのでしょうか。

「素材に調理液を染み込ませることが大事です。そのためには浸透圧作用が大事になります。砂糖を入れると浸透圧が高くなって、表面だけに味が乗ってどの素材も均一的な甘みしかでなくなります。ニンジンもジャガイモも浸透圧が0.8w/v%ですので、調理液はそれより低くないと味が染み込みません」

なるほど。段々難しくなってきましたが、要は出汁などの調理液が濃すぎると素材に味が入らないということですね。

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