自分と異なるタイプの人の言葉から、自分の視野が広がるような新しい“気付き”を得たという経験はありませんか? この感覚を大切にすることで、チームの運営がスムーズになるケースもあります。
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「あ、そんな見方もあるんだ!」「そう考えればいいのか!」――。他の人の考え方から新たな気付きを得て、よりよい発想ができたり、前向きになれたという経験はありませんか。
仕事をしていると、さまざまな価値観の人に出会う機会があります。同じ物事でもとらえ方は人それぞれ。自分と異なる視点の一言から新しい“発見”をした経験は、誰でも一度はあると思います。言った当人や周りの人からすると「え? そんなことで?」と感じることが多いはず。これこそコミュニケーションが持つ大きなチカラといえるでしょう。
研修の仕事をしていると、そんなエピソードをよく耳にします。特に仕事でミスをしたときに起こりやすいようです。
ケースA:「もう一度PRできる機会ができたって思えばいい」
Aさんは一昔前、企業のメルマガ配信で大きな失敗をしたときに、新たな発見をしたと言います。注意深いAさんは基本的に失敗したことがなかったのですが、あるとき、何万通ものイベント告知のメルマガを送信設定したあとに、確認用のメルマガをチェックしたところ、最も大事な情報である日時と場所を間違えていたことに気付きました。
当時は、メルマガで企業のPRやイベント集客をするのが流行し始めたころで、内容の間違いが今よりもシビアに問われる時代でした。このミスはさながら“誤った日時を書いた招待状を郵送してしまった”ようなもので、当時としては一大事。焦ったAさんは青ざめた顔で上司に報告を行いました。
Aさん: (めちゃめちゃ怒られるかな……)申し訳ありません。メール誤送信しました。上司: え。そうなの? 何を間違っちゃったの?Aさん: ○○の件のメルマガで、集客日時と場所を間違ってしまって……(企業の社会的信用が、とか言われるかな)上司: あー、そうなんだ。じゃ、すぐ修正して送り直して。Aさん: はい、すみません。以後気をつけます……。上司: 大丈夫だって。もう一度PRできる機会ができたって思えばいいじゃない。
失敗を気にして小さくなっていたAさんは、その瞬間「そっか、そういう考え方もあるんだ」と肩の力が抜けたそうです。もちろん失敗への反省は必要ですが、上司のこの一言で、失敗ですら見方によってはチャンスと捉えることができ、そう考えた方が前向きに仕事に取り組める、ということが分かったのでした。
ケースB:「記事を紹介してくれてありがとう」
ライターとしてさまざまなWeb媒体に記事を載せている知人のBさんも同じような体験をしたと言います。Twitterで自分が書いた記事に対するネガティブなコメントが目に入るたびに、ストレスを感じていたのですが、上司のこんな一言で心が楽になったとそうです。
「ツイートするっていうのは、記事を拡散するっていうことでしょ。ネガティブなコメントでも『記事を紹介してくれてありがとう』くらいに思っとけば?」
どちらの上司も「ここで役立つ話をしよう」という気負いがあったわけではありません。むしろ、普段の心構えを伝えただけとも言えます。そんな自然体の言葉がミスをした部下の気持ちを救い、後から振り返って感謝するような貴重な体験に変えたわけです。
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