2014年12月9日火曜日

年賀状を出す習慣はいつから始まった?


 年末恒例、NHK紅白の出場歌手が決まり師走ムードが漂うなか、年賀状の準備は進んでいるだろうか? 忙しい仕事の合間を縫って準備に励んでいる人もいると思うが、そもそも新年のあいさつとして年賀状を送り合う習慣は、いつごろからはじまったのか疑問に思っている人もいるはず。

 年賀状博物館(http://www.nengahaku.jp/)によれば、人類には古代から年賀の習慣があったそう。エジプトやメソポタミアなどの四大文明にも、新年を祝う宗教的儀式の痕跡が見られるとか。では、日本の起源はといえば7世紀後半以降とされるそうだが、残念ながら史料がなく、正確なことはわからないそうだ。平安後期に、藤原明衝によってまとめられた文例集『雲集消息』に、年始のあいさつを含む文例が数編収められていたことから、このころには貴族階級のなかで年賀状が広まっていたと考えられる。その後、江戸時代に入り「飛脚」制度が充実。「よみ・かき・そろばん」などの教育の普及とともに、庶民が手紙を出すことが普通になってきたあたりから、年賀状は身近な存在になってきたのだ。

 では、現在のような年賀はがきの習慣ができたのはいつからかといえば、それは明治以降になる。郵便制度が前島密により創設されたのが1870年(明治3年)。郵便はがきの発行は1873年(明治6年)から。ここで年賀状の伝統とはがきが結びつき、年賀はがきを送り合う習慣になる。日本国民の間で、年中行事の一つとして現在のような年賀状が定着したわけだ。

 ちなみに生真面目な日本人は、年賀はがきの消印を1月1日にこだわったため、このころから毎年年末から年始にかけて郵便取扱量が膨れ上がったため、年賀状以外の郵便物にも影響することに。そこで通常郵便と年賀はがきは別物として処理しようという考え方ができ、のちに法制化。「年賀特別郵便規則」により、年末の一定時期に出せば、1月1日の消印で新年に配達してくれるようになった。なお、お年玉付き年賀はがきの誕生は終戦後の1949年(昭和24年)。それまでは、通常の官製はがきが年賀状として使われていたという。

 こうした歴史を持つ年賀状だが、最近は新年のあいさつをメールで済ませたりと、簡略化する人も多い。では、イマドキの郵便局での年賀状の出し方はどんなものなのか?

 現在の郵便局は、年賀はがきの購入はもちろん、「年賀状印刷サービス」のカタログから絵柄を決め、郵便局やWebからの注文を受け付けているだけでなく、そのまま発送までしてくれる。

 手っ取り早いのはWebからの注文ではあるが、せっかくルーツを調べた記者は、自宅の最寄りの郵便局で年賀状印刷サービスのカタログから選び注文してみたところ、注文から10日前後で印刷された年賀はがきが届いた。Web注文「郵便局の総合印刷サービス」の場合、早ければ2営業日ほどで届く。郵便局での注文は12月19日(金)、Webでの注文は12月27日(土)受付分まで、印刷された年賀はがきが年内に手元に届くそうだ。Webでの注文は「宛名印刷サービス」と「投函代行サービス」を組み合わせると、手元に年賀はがきを受け取らず、そのまま発送してもらうこともできる。

 まだ大丈夫と高を括っていると、今年も大慌てなんてことに。せっかく、この年賀状のルーツに目をとめたのなら、今年はサクッと取り掛かってみてはどうだろうか。 


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─情報元:夕刊アメーバニュースサイト様─