エン・ジャパン株式会社が行ったあるアンケート調査によると、30歳以上の転職経験者のうち、80%以上が転職後の会社に対してマイナスのギャップを感じていると回答しました。さらに、その中で75%もの人が再度転職を考えているという、驚くような数字もあります。ですが、実はこのような「後悔」や「失望」を感じるかどうかは、転職する人の年収レベルに左右されるという別の調査結果も存在します。
具体的には、年収が800万円以上で転職した人の約70%が、自分の転職結果にほぼ満足していると回答。コメントには、「全社に影響力のあるポジションにキャリアアップしたいと考えて転職し、数年後には希望のポジションに異動できた(37歳男性)」「会社の規模は小さくなったが、その分自分の権限が増えて仕事にやりがいが出た(40歳男性)」など、仕事へのやりがいという側面から満足感を得られたという内容が多く出ています。
これに対し、年収500万円未満の人で転職に満足できたケースでは、「休日が増えて残業時間が減った」「年収がかなりアップした」「人間関係が良くなった」といった趣旨のものが多く見られます。
年収の差がそのまま転職への満足感につながる
これは、そもそも転職する際に求めていた事柄に違いがあったことを示唆しています。年収500万円未満の人が転職先に求めることの上位は、「給与のアップ」「安定雇用」「休日数の増加」「良い上司や同僚との出会い」などですが、年収800万円以上の人では、「経験や能力が生かせるポジション」「裁量の幅を広げること」などが上位にきています。
昇給制度や休日、残業などは、その時々の状況により変動するものであり、求人票に記載した数字と異なる実情になりやすい部分です。また、職場の人間関係については、人それぞれ感じ方に差があり、判断が難しい要素です。どちらの点も自分の努力や働きかけで変えることが難しいといえ、このような部分を転職の目的とすれば、結果が自分の期待値を下回ることが多くなります。
会社の社風や状況を吟味することが大切
仕事内容に自分の能力をもっと生かしたい、伸ばしたいという希望については、比較的自分で行動を起こしやすく、目に見える結果が得やすくなります。そのため、満足度も上がるのでしょう。30歳を過ぎていて、現職の待遇に不満があり転職を考える人は、転職先でもすぐに希望が叶わないかもしれません。
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