HTTPS をランキングシグナルに使用しますと Google が公式に発表したあたりから、Web サイトの SSL 対応、特に Google が推奨している Web サイトをすべて HTTPS で配信する、所謂 「常時 SSL 化」 についての話を聞いたり、実際にお客様から相談されたりするケースが増えてきました。
そこで、いい機会だしその辺に関する情報をまとめておこうかな~ と思って書いてみた、恒例の (?) 5分でわかるシリーズ。書き終わって見たところ絶対に 5分じゃ無理っていう文章量になっててどうしようかなぁとも思ったんですが、気にせず公開してみます。

常時 SSL とは

「常時 SSL」 という言葉がいつごろから使われているのかはわかりませんが、簡単に言っちゃえば Web サイト内の全ページを HTTPS で配信しましょうって意味で広く使われているみたいですね。
「常時」 なので HTTPS でのみ Web サイトを公開して、HTTP 接続は禁止するってところまで含むのかもしれませんが、ざっと調べてみた限りでは、同じサイトに HTTP でも接続できるかできないかは特に問わないみたいです。
さて、上記を踏まえると、全ページを HTTPS で配信するにしても下記のように 2通りの方法が考えられます。
  1. HTTPS でのみ Web サイトを配信する (リダイレクトや HSTS の利用により HTTPS を強制)
  2. HTTP と HTTPS の両方で配信してユーザーが選択できるようにする (一部は HTTPS 強制含むとして)
とはいえ、わざわざ面倒なことをすることはないので、通常は 1番目の方でよいと思いますから、本記事でいう、「常時 SSL 化」 というのはそれを前提に書いていきますが、場合によっては HTTP での接続を可能にしておいた方がよい場合もありますので、その辺は後述します。

正しい知識で常時 SSL 化を行うために

根本的なところですが、新規の場合なら Web サイトの企画や制作の準備段階で、どのように SSL を導入するのか、あるいはどの範囲まで SSL で保護すべきか、などを見極め、確定させることが重要です。常時 SSL 化が本当に必要なのか、逆に HTTP でのみ配信する方がよいページはないのか...... などです。
既存の Web サイトが対象の場合はこれに加えて必要になる Web ページやシステム側の改修を含めた対応についても事前にきちんと確認しておく必要があります。
例えば、他に理由がないにもかかわらず、SEO のためだけに Web サイトを常時 SSL 化しようみたいなことであればやめておいた方がいいです。大した意味はありませんし、いい加減な導入をすると、盗聴・パケット改竄の防止、なりすましの防止といった SSL 導入の本来の目的を果たせないばかりでなく、Web サイトの運用に影響が出る場合もあります。
その辺を踏まえて、この記事では、Web サイトを常時 SSL 化 (常時じゃなくても) する場合に、最低限知っておかなければならない知識や、注意点、実際の設定方法まで、ひと通りまとめてみました。
タイトルに 「正しい」 とか入れて、無駄にハードルを上げていますが、間違っている点などがあればご指摘ください。

それでは始めますが、まずは長いので目次を。
全体としては長いですけども、各大セクション冒頭に書いてある 「要点」 ってところだけ読めば、ある程度はわかると思います。全文を 5分で読むのは無理だと思いますが、要点だけなら 5分でいけるはず (よってタイトルに偽りなし...... ということで)
  1. 常時 SSL 化のメリットと目的を考える
  2. SSL サーバ証明書の選択
  3. 証明書のオプションを選択
  4. ここまでのまとめ
  5. SSL 導入にあたっての注意点
  6. SSL 導入後の作業