2015年9月19日土曜日

妊娠中に風邪薬はOK?授乳中の飲酒は?小児科医がお答えします

妊娠中や授乳中に薬を飲むと赤ちゃんにどう影響が出るのか、不安に思っているママも多いと思います。その不安に『何でも相談こどもクリニック~新たなスタイル~』の著者で小児科医の宮田大揮先生がしっかりとお答えします。

妊娠中は薬を飲めないの? 授乳中は?
しっかり答えます!

妊娠はとてもすばらしい出来事であり、特殊なケースを除き皆が喜ばしいこととしてとらえています。
しかし、妊婦になると途端に薬を使ってはいけないと言われ、風邪をひいても薬が飲めず辛い経験をされてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、妊娠中はお薬を使いにくい時期があるのは事実で、具体的には胎児がお母さんのお腹の中で心臓や脳を作り上げている器官形成期といわれる妊娠初期(12週くらいまで)は、絶対安全であるという薬が存在しないため、わからないというのが実際です。
なぜ、安全といわれる薬がないか? というと、実験ができないからなのです。人体実験をするわけにはいかないので、わからないというのが正確なところで、実際には抗生剤や漢方薬を飲んでいても胎児奇形を起こすことはなく、安全に出産されている方が多いです。そのため、万一お薬を飲んでしまったという場合でも実際にはあまり心配する必要はありません。
しかし、12週以降であれば2つの原則に従って安全にお薬を処方することができます。それは、へその緒から薬剤が胎児に移行し、それにより胎児に影響がでてしまうかどうか子宮を収縮する可能性のある薬剤でないかをチェックする、という原則さえ守れば薬は処方できるのです。例えば、喉の風邪であれば桔梗湯という漢方薬が処方できますし、副鼻腔炎や気管支炎で抗生剤が必要であればセフェムというお薬であればたいてい処方が可能です。また、頭痛がある場合もアセトアミノフェンと呼ばれる鎮痛剤であれば一部の時期を除き使用可能です。
咳止めであればメジコンという薬も安全に使えるので、そう考えるとほとんどの症状に対応できます。しかし、この時期に漢方薬で麻黄という成分が含有されているものやエフェドリンという成分が入っている薬は子宮を収縮させるため、早産のリスクを高めるために使用は控えたほうがよいと考えられています。そこで、よくご家族から吸入ステロイド薬はよいかというご質問を頂きますが、これも安全に使用することができ、使用することでお母様の体調がよくなるほうが優先されるとお考えください。




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─情報元:まぐまぐニュース!サイト様─