2015年12月3日木曜日

7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物

 あなたの会社に「あの人は仕事ができるのに、出世しないなあ」という人はいないだろうか。逆に「あの人は仕事ができないのに、なぜか出世している」という人もいるのでは。
 「仕事ができないのに出世している人=上司にゴマをするのが上手な人」とイメージするかもしれないが、今後はこうした“公式”が成り立たないのかもしれない。これからの時代、出世できる人とできない人……どのような“違い”があるのだろうか。リクルートでフェローを務められ、その後、杉並区で中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いてきた。全4回でお送りする。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
 →本記事(2)

藤原和博氏のプロフィール:

 教育改革実践家。杉並区立和田中学校・元校長。元リクルート社フェロー。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。
 メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事ならびに府教委の教育政策特別顧問。14年から佐賀県武雄市特別顧問。
 著書は70冊で累計117万部超。『人生の教科書 よのなかのルール』『人生の教科書「人間関係」』(いずれも、筑摩書房)など人生の教科書シリーズ、『坂の上の坂』(ポプラ社)、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)、『本を読む人だけが手にするもの』(日本実業出版社)ほか多数。

出世できる人とできない人

土肥: 出世できる人とできない人ってどのような“違い”があると思いますか?
藤原: これまで講演や書籍などで繰り返しご紹介してきましたが、まず「成長社会」と「成熟社会」が存在していることを理解しなければいけません。
土肥: 知らない読者もいると思いますので、ご説明していただけますか。
藤原: 戦後の焼け野原から、日本の経済は右肩上がりで成長してきました。1950年代半ばから始まった高度経済成長期を経て、1980年代後半から起こるバブル景気でピークを迎えました。それまではジグザグしながらも株価は上がって、地価は上がって、住宅価格は上がってきましたが、このような20世紀型の成長社会は1997年を境に終焉(しゅうえん)を迎えたんですよね。
 1997年に何が起きたのかというと、山一証券と三洋証券が破たんしました。それだけではありません。不動産業界などに融資をしていた銀行は多額の不良債権を抱えて、次々に破たんしました。例えば、都市銀行の北海道拓殖銀行、翌年には、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行。大手の銀行だけでなく、地域に密着している地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合も相次いで破たんしていきました。ここで20世紀型の成長社会は終わって、次にそれまでとは全く違う成熟社会に移行したんです。
土肥: どのように変わったのでしょうか?
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