ベルギーの車いす陸上選手マリーカ・ヴェルヴートは、痛みで眠れないことがある。そんな時に彼女の心に浮かぶのは、金メダルと死だ。
2015年にカタールのドーハで行われたIPC陸上競技世界選手権大会の女子400メートルで、金メダルに輝いたヴェルヴート(右)(FRANCOIS NEL VIA GETTY IMAGES)
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http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/07/paralympian-considering-assisted-suicid_n_11901818.html
─情報元:huffingtonpostサイト様─
現在37歳になるヴェルヴートは、2000年に脊椎変性疾患を発症した。体が麻痺したため、それ以来車いす生活になった。しかし車いすでも人生を楽しみたいと考えた彼女は、バスケットボールやトライアスロン、陸上などスポーツに積極的に取り組んできた。
そして、2012年に出場したパラリンピックロンドン大会では、車いす100メートルで金、200メートルで銀に輝いた。
2015年にカタールのドーハで行われたIPC陸上競技世界選手権大会の女子400メートルで、金メダルに輝いたヴェルヴート(右)(FRANCOIS NEL VIA GETTY IMAGES)
しかし、病は容赦なくヴェルヴートを襲っている。あまりの耐えがたい痛みに、彼女はリオ大会のあとに安楽死を考えていることを明かした。
「金メダルをとって笑っている私を知っている人は多いでしょう。しかし影の一面は誰も知りません。金メダルを目指していますが、痛みがひどくて10分しか寝られない夜もあります。リオ大会は私の最後の夢です。昼も夜も病気と闘わなければいけませんが、練習の手は緩めません。人生をリオの表彰台で終えることができたら」とフランスの新聞ル・パリジャンに語った。
また、「リオ大会の後、現役を引退するつもりです。私にはやりたいことがあります。曲芸飛行もやってみたい。それから安楽死も考え始めています」とデイリー・エクスプレス紙に語っている。
ベルギーは2002年、「世界で最もリベラルな法律」と呼ばれる、医師のほう助による自殺を認める法律を可決した。この法律の下では、3人の医師による承諾書があれば、安楽死できる。
ヴェルヴートはまだ安楽死を決めたわけではない。しかし、自分の死んだ後のことはすでに想像している。
「葬儀は、教会では行いません。コーヒーとケーキを飲みながら見送ってもらうのではなく、シャンパンを飲んで『マリーカに乾杯。良い人生を送ったね。今はもっと良い場所にいる。新しい場所で幸せが訪れますように』と言ってもらいたい」とフランスの国営テレビ・フランス2に語った。
ヴェルヴートが出場する最初の試合は、9月9日(金)に行われる女子400メートルだ。
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