2016年10月20日木曜日

電通や東芝といった大企業が、「軍隊化」してしまうワケ

電通の女性新入社員が「過労自殺」したことを受け、「オレの時代はもっと大変だった。いまの若い者は我慢が足りない」と思った人もいるだろう。上の世代にとっては“常識”かもしれないが、なぜそのような考え方をしてしまうのか。


 10月7日、電通の新入社員の女性が「過労自殺」だったとして労災認定された。また、政府はこの日の閣議で「過労死等防止対策白書(2016年版)」を決定、これを受けて「残業100時間くらいで自殺なんて情けない」とコメントし、批判に晒(さら)されていた武蔵野大学の長谷川秀夫教授が自身のFacebookに謝罪文を出した。
 「不快な思いをさせてしまい申しわけございません」というお詫びの言葉の後、今回の問題の根幹をなす一文があったので引用させていただこう。
 『とてもつらい長時間労働を乗り切らないと、会社が危なくなる自分の過去の経験のみで判断し、今の時代にその働き方が今の時代に適合かの考慮が欠けていました』(長谷川教授のFacebookより)
 既に話題となっているように、長谷川教授は、MBAホルダーのビジネスエリート。東芝で23年間、経理一筋で勤め上げた後、コーエーのCFO(最高財務責任者)にヘッドハンティングされ、ニトリの取締役も歴任した「プロのCFO」(日経金融新聞 2003年9月29日)として知られている。ご自身が語る「とてもつらい長時間労働の経験」というのは、おそらく東芝時代のことだろう。
 『米商務省による二度の反ダンピング訴訟では調査・資料作成を担当して勝訴に貢献、米国の赤字子会社に上級副社長兼CFOとして赴任した際は一年で黒字化させた実績もある。プロとしての自負は強い』(同上)
 こういう会社員人生を歩んできた人が、「1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きているのか分からなくなって笑けてくるな」(女性社員のツイート)というSOSを目にしても、単にプロ意識が欠如した「甘え」にしか映らない。「これだから最近の若いのは」というオジさん世代の憤りが、死者にムチ打つ「失言」につながった、というのは容易に想像できよう。
 ただ、一方で、長谷川教授のように「大企業の社員として成功したオジさん」が、こういう思想に執着していることこそが、今回の女性社員のような「犠牲者」を生み出す原因になっている、という現実も忘れてはいけない。
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─情報元: ITmedia ビジネスオンラインサイト様─