2016年11月26日土曜日

格安扇風機があるなか、1台3万円もするバルミューダの扇風機はなぜ売れたのか?

「企業の強み・思い」と「生活者の本音」を重ねていくと、そこには必ず「答え」があります。いい商品・サービスをつくれば必ず売れるわけではありません。たった1つの図を使って、問題を解決する力を身につけていきましょう。新刊『問題解決ドリル 世界一シンプルな思考トレーニング』より、バルミューダの扇風機のケースを紹介します。


「企業の強み・思い」と「生活者の本音」を重ねていくと、そこには必ず「答え」があります。いい商品・サービスをつくれば必ず売れるわけではありません。たった1つの図を使って、問題を解決する力を身につけていきましょう。新刊『問題解決ドリル 世界一シンプルな思考トレーニング』より、バルミューダの扇風機のケースを紹介します。
本連載は、Q&A方式で展開します。1ページ目:質問、ヒント、2ページ目:答え、重ねる技術、企業の強み・思い、生活者の本音、重なりの発見の解説を順に掲載。
「企業の強み・思い」――自社では気づいていない独自性やポテンシャルを発見しましょう。また、社内の常識が邪魔をしてやりたいことができていない本来の思いを再発見することが大切です。
「生活者の本音」――生活者は言葉にしていないだけで、実はまだ満たされていない欲求があります。その不安や不満を発見しましょう。

上記をたよりに、質問からそれぞれを考えてみてください。2つを重ねていくことで、答えが導かれます。求められる答えは、2ページ目冒頭の画像をクリックすれば表示され、問題解決のポイントをあわせて読むと、より理解が深まります。

質問

 価格で競い合う家電業界。扇風機も例外ではなく、その価格は下がる一方でした。そんななか、1台3万円を超えるにもかかわらず、品切れ状態が続出し、話題となったバルミューダの「GreenFan Japan(グリーンファン・ジャパン)」。
 数千円で買える扇風機が並ぶ家電量販店で、なぜ「GreenFan Japan」だけが、3万円でも品切れになるほど売れたのでしょうか。

ヒント

 機能の勝負では限界が来てしまいます

重ねる技術:
「建設的な無駄」を取り入れる

 強い風量を謳ったり、価格を抑えたりすることは、本当に生活者の役に立つことなのでしょうか。もちろん家電量販店に行けば、値段と性能を訴求する商品ばかり。ただ、その風量が強くなったことで、「どのように人の体験が変わるのか」という先を考えない限り、買い替えなんて起こりません。
 2015年に、バルミューダは扇風機だけではなく、頬っぺたが落ちるくらいおいしいトーストが焼けるというトースターを2万5000円(実売価格)で発売しました。高額にもかかわらず、生活者から受け入れられています。なぜベンチャーが大手家電メーカーより高い評価を受けているのでしょうか。
 バルミューダ代表取締役の寺尾玄氏は言います。
 「『2万5000円の高機能トースター』
 あなたは買いますか?『高い』と思うのが普通だと思います。通常、トースターは数千円で買えるのに、2万5000円のトースターには手を出せないというのが正直なところでしょう。マーケティングを少しかじった人なら、市場がないのにそんなトースターを作るなんて、ちょっと頭がおかしいんじゃないかと思うかもしれませんね。
 では、『世界最高においしいトーストを食べる体験』
こう言われると興味がわきませんか?『どんな味だろう、食べてみたい』と。それが2万5000円だったとしても、買う人は出てくるはず。 
1
2
nextpage

...詳しい情報・続きはこちら >>
http://diamond.jp/articles/-/107443
─情報元:ダイヤモンド・オンラインサイト様─