なでしこの優勝については、ほかのところに書いたので、ここでは簡単に触れるのみにとどめる。
優勝は、久々のグッドニュースだった。思い出すたびに笑いがこみあげてくる。こんな気持ちになったのは何年ぶりだろう。私はほぼ半日にやにやしていた。
が、翌日になってみると、果たして、喜びは半減していた。私の心の中の幸福感があった場所には、おなじみの不機嫌が居座っている。いつものことだ。祭りの後の虚脱。私は無表情になっている。
静かにかみしめていれば半月は楽しめたはずの余韻を、私たちは、よってたかって台なしにしてしまった。反省せねばならない。選手のみなさんにはサッカーファンを代表して謝罪しておきたい。悪気はなかったのだ。ただ、この快挙を機にサッカーの注目度を確保しておこうという下心があったことは認めなければならない。その、われわれのうちにあったわずかばかりの邪心が、結果として、会見場に芸能レポーターを呼び寄せることになってしまった。無念だ。大きな声で同じ質問を繰り返すあの人たちは、選手の家族や恩師を無遠慮なカメラのエサにしながら、古い優勝から勇気をもらうことをやめようとしなかった。あんなに盛大に勇気をもらわれて、選手たちは無事だったのだろうか。心配だ。この先しばらく、勇気が湧いてこなかったりしたら、それはわれわれの責任でもある。ごめんよ、なでしこ。君たちの花壇を踏み荒らしたのは直接にはわれわれではない。でも、サッカー選手を守るべきわれらサッカーファンが、それをせずに、君たちをカメラの生贄に差し出してしまったことは、何回あやまっても追いつかない失策だった。申し訳ない。
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─情報元:日経ビジネスオンラインサイト様─
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