トイレッツは、昨年11月にセガが発売した店舗用電子POP。男性用小便器に取り付け、広告表示をしながら、尿の勢いや尿量で遊ぶゲームだ。「その発想はなかった」と話題を呼んだが、旭川医科大学腎泌尿器外科学講座の研究チームによる調査で、中高年の男性に多い排尿障害の啓発にも役立つとの結果が判明。横浜市で4月に開かれた第100回日本泌尿器科学会で発表された。その意外な調査とは?
男性は高齢になると、排尿に障害を感じる人が少なくない。トイレを我慢できなくなったり、夜中頻繁にトイレへ行きたくなったりする「過活動膀胱」という症状は、40歳以上の12.4%にあたる810万人が持っているとされている。他にも、尿が出にくく、排尿に時間がかかったり、残尿感があったりする「前立腺肥大症」は、80歳までには80%の人がかかるとも言われているほど、男性にとっては身近な病気。高齢化が進み、厚労省の調査によると最近10年間で10万人以上もの患者が増えている。
旭川医科大学腎泌尿器外科講座の講師、松本成史さんによると、こうした症状があっても、「年のせいだから仕方ない」「恥ずかしい」といった理由で診察を受けず、放置してしまう人が多いとのこと。放置すれば他の病気を引き起こす危険もあるため、「泌尿器科の医師は、きちんと検査や治療を受けるための必要性をさまざまな啓発活動を通じて実施していますが、いまだ不十分」という。
そこで、白羽の矢が立ったのが、トイレッツ。研究チームは昨年9月、排尿障害に関する市民講座に参加した中高年男性に発売前のトイレッツを体験してもらい、70歳以上の20人を含む27人からアンケートの回答を得た。トイレッツは、マイクロ波センサーと赤外線反射センターを利用して、尿の量や排尿のスピードを計測可能することができる。今回の調査に使われたのは、おおよその尿の量を測ることのできる「溜めろ!小便小僧」というゲームだ。
調査結果によると、まず「トイレッツが面白かった」と答えた人は、88.9%で、中高年男性もトイレッツを楽しんでいることが分かった。「トイレッツを体験して、排尿に関心を持ちましたか」という質問に、「はい」と回答した人は92.6%と関心度の高さもうかがえる。「排尿量を初めて知りましたか」という質問には、92.6%が「はい」と回答。反面、日常生活では排尿の実態を把握することが難しいと判明した。
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