個人的には、放射性物質の問題はどこまでいっても平行線だと思っている。以前、チェルノブイリでも調査に加わったことがある権威に、内部被ばくが人体にどのような影響が出るのかについてネチネチと尋ねてみたことがある。パワーポイントの資料などで疫学データを示されたが、最終的に言ったのが、「今の医学ではよく分からない」――だった。
人体実験をしたことがあるわけでもなし、似たような事故が過去にあったわけでもない。チェルノブイリや広島、長崎のデータを参考にして、ああだこうだと思いを馳せるしかない。だから、「分からないから心配すべきだ」という学者と、「分からないからそんなに騒ぐことじゃない」という学者が互いをけなし合うという不毛なことになる。
専門家ですらこんな有様なのだから、自治体同士で折り合いなどつくわけがない。
かくして、「震災がれき」を巡って、新たな「差別と利権」が生み出されることになるというわけだ。
こういうキャッチーな問題にメディアの目が向いている時というのは、似たような産業に携わっている人間からするとありがたいことこのうえない。
「がれき」がどこへ動いた、どこの市が断った、と騒いでいるどさくさに紛れて、平時では後ろ指をさされそうな懸念事項をサクサクと押しすすめることができるからだ。
そのひとつが、「鉄鋼スラグ」だ。
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─情報元:Business Media 誠サイト様─