まず、娘の彼氏と1対1で話してみる。会いたくないからと無視したり拒否するのではなく、娘を外した2人で会ってみるのだ。実際に会ってみないと、人の印象はわからない。壮平も、娘の彼氏である水瀬亮一について担任や他の生徒から噂を聞き、人望も厚く勉強もできて所属しているサッカー部でも1年でレギュラーに選ばれるような生徒だと知る。でも、亮一自身が友達から「女のシュミ変わった?」と聞かれて「ああいうタイプもたまにはいいかなと思って」なんて答えているのを聞いてしまう。いくら周りの評判が良くても結局疑心暗鬼になってアラを探したくなるし、実際に会ってみなければわからないことはたくさんある。だから、直接会って腹を割って2人で話してみることが大切だ。
また、自分の学生時代を思い出して当時の友達に相談してみるのもいいかもしれない。壮平も、高校時代の悪友に相談したところ、なんでもできてかっこよくて人気者。一見優等生だけど裏でうまく遊んでた要領のいい男なんてまんま高校の時のおまえじゃないかと言われてしまう。なんだかんだ言って、娘は父親に似た人を好きになるというので、自分がその年の頃どうだったか。本当に好きな人に対してどう接していたかを思い出してみると、見えてくることもあるかもしれない。
そして、娘の彼氏や娘自身にああしろこうしろと言ってみても、余計反発されるだけ。壮平は亮一をこっそり呼び出してデート早く切り上げろと命令したり、そのデートを尾行して「おまえみたいな男が娘とつきあうなんて絶対イヤだからな!!」と彼に向かって宣言したり。あげくのはてにはそのまま糸穂を家に連れて帰ってしまう。こんなことされたら彼氏だって逆らいたくもなるだろうし、めんどくさくなって別れてしまうかもしれない。これでは娘が父親のことを嫌いになるのも当たり前。亮一がどんなヤツか彼の裏の顔を糸穂にバラしたところで、結局傷つくのは糸穂だし、自分のせいで娘を別れさせようものなら、一生口を聞いてもらえないかもしれない。どんなに大切に思っていても、娘がどんな男を選んでも、傷つかない恋愛なんてないのだ。だからこそ、娘の彼氏に言うべきことはたった一言でいい。「父親にとってはたった一人の娘なんだよ だから大切にしてくれ」。あとは見守ること。父親にできることなんて、これくらいなのだ。
そうは言っても、これを実践できるかどうかはまた別の話。こんなふうに簡単には割り切れないかもしれないが、これを読んで娘に彼氏ができたときのことを想像し、シミュレーションしておくといいかも?
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