2013年10月21日月曜日

赤字ツイッター、羽ばたけるか 切り札はデータ卸事業


 11月中旬にも株式公開するとみられる米ツイッター。今週にも投資家向け説明会「ロードショー」を始める見通し。ネット企業では米フェイスブック以来の大型上場となる。直近の最終損益は6925万ドル(約67億円)の赤字。ただネット広告が好調なうえ、同社独自の切り札がある。「データ卸」事業だ。ビッグデータ時代の要の企業となるかもしれない。

■つぶやきからアイデア発掘

 「日本の20代独身男性は風邪になると、無性にプリンが食べたくなる」、「『崖の上のポニョ』の視聴者はラーメンが食べたくなる」。

 ツイッターのデータ卸事業の恩恵を受け、間接的につぶやきデータを購入するデータセクション(東京・渋谷)の分析からあぶり出された行動パターンだ。

 同社の林健人・最高執行責任者は「どうでもいい内容のつぶやきも集まると『無意識の欲求』の分析に使える」と指摘する。プリンやラーメンを売るための企画会議や、アンケートをしても通常出てこないアイデアを掘り起こせる利点がつぶやきデータにはある。

 ツイッターの使い方に習熟した利用者が多い米国や日本では「#(ハッシュタグ)」という記号を目次としてつけてつぶやくことがある。特定のテーマについてつぶやきが集まる一種の「コミュニティ」が多数できる。アパレル系企業が分析したデータをもとにこのコミュニティにピンポイントで広告を投下する事例も増えている。

 日本はツイッターの利用者が世界で2番目に多く、都心に住む20代が中心。使い方次第で若者向けマーケティングの有効な手段になる。

 だが、意外なことに同社はこうした「つぶやきの解析自体は収益源とは考えていない」と明言する。ネット企業が今後の主力とみなすビッグデータ分析から背を向け、データを複数の企業に卸す特異な戦略を進める。

 ツイッターはデータシフト、ニップ、トプシーの米3社のほか、日本のNTTデータを1次販売代理店に認定。4社はつぶやきデータの加工を自社でも手掛けている。代理店からデータを購入した会社は2次代理店となってデータの再販売も可能。ツイッターは一旦データを販売した後のビジネスには関与しない。

 期間を決めた定額販売や利用に応じた月額従量課金などもでき、柔軟な料金設定が可能だ。仕組み上、同じ内容のデータに大きな差が開く場合もある。

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http://www.nikkei.com/article/DGXNZO60918510Q3A011C1XX1000/
─情報元:日本経済新聞サイト様─