記録的大雪に見舞われた日本列島では死傷者が1000人にものぼり、交通網が混乱、未だに孤立する地域が存在するなど深い傷跡を残している。2014年2月14日から15日にかけて降った大雪は、2月18日になっても路肩などに汚れた雪が積み上げられている。
とりわけマンションなど集合住宅の周辺に残っているケースが多い。ネットではマンションやアパートの「雪かきは誰がやるんだ?」などと議論になっている。
「管理費取ってるんだから住人はやらなくていい」?
関東地区での2月第3週の積雪は、都心で45年ぶりの大雪となった2月8日と同じ27センチ、多摩地区の八王子市では大垂水峠付近で86センチを記録した。
多摩地区の住宅街では雪が道路に積もり、ゴムの長靴を履かなければ歩くこともできない。一戸建ての場合は家族総出で雪かきをしている姿がよく見られるが、マンションやアパートに関しては道路に繋がる道も隠れてしまう場合が少なくない。
こうした状況からネットでは、「雪かきは誰がやるんだ?」といった疑問が出て、
「賃貸だけど管理費取ってるんだから住人はやらなくていいでしょう」
「別に雪かきなどしなくてもいい。誰もやらなければどうしても必要な者が勝手にやり始めるだろう」
「雪かきは管理会社の仕事って北のほうでは当たり前」
などといった議論が交わされた。
マンションやアパートの雪かきは誰がやるのか。都内にある不動産関係に詳しい法律事務所に聞いてみたところ、まず建物周辺の道路は自治体の管理であるため、管理組合や大家、住民が雪かきをする法律的な義務はない。建物の敷地内の雪に関しても特別な取り決めがなければ、これも誰も雪かきをする法律的な義務はない、ということだった。ただし、建物の中に入れないなど生活に支障が出た場合は大家の負担で生活ができる状態に戻す必要があるという。
新潟市では住民誰もが自然に協力し合っている
また、マンション管理会社大手の日本ハウズイングの担当者は、
「管理委託契約書に記載されている業務の中に、除雪作業が盛り込まれることは一般的には殆んどありません」
と打ち明ける。北海道などの豪雪地帯のマンションでは除雪の専門業者に委託する例もあるが、それは全く別の契約なのだそうだ。といっても、管理人がいる大きなマンションでは、契約書に書かれていなくても管理人が除雪作業をすることになる。ただし、勤務時間が短いところもあるほか、土日祝日などは管理人に臨時で出勤させ雪かきの仕事を任せることも難しい。さらに、巨大なマンションの雪かきを僅かな人数の管理人でこなせるとは考えられない。
となると、集合住宅では雪かきがされない場合もありそうだ。
「お住まいの皆様が快適に安全に生活できるよう、できる限りのお手伝いをしておりますが、雪かきに関してはこうした状況なのです」
と話している。
NPO法人全国マンション管理組合連合会でも、誰がやるかはルールで決まっているものではない、とし、
「特定の誰かにやってもらうものでもなく、マンション住民のコミュニティーで解決する問題です」
と「自治」を強調した。
雪国ではどうなのか。新潟市にある不動産会社の女性に話を聞くと、マンションの雪かきをする専門業者と契約したり、管理人に任せるという話は聞いたことがなく、住民全員が自然に協力し合っているのだという。家族でマンションに住んでいる男性の話では、朝などは通勤する時間が早い人から順番に雪かきをして道を作り、昼近くになるとだいたいの整備が終わっている。
「みなさん当たり前に雪に対してやっていることで、都会のように『管理組合は何をやっているんだ!』などと主張する人がいたら、ここでは住んではいけませんよね」
http://www.j-cast.com/2014/02/18197079.html
─情報元:J-CASTニュースサイト様─