2014年8月22日金曜日

小林製薬の「熱さまシート」、海外展開成功のウラに独自の販売戦略

小林製薬の額に貼る冷却シート「熱さまシート」が東南アジアを中心に売れている。2013年度は初めて海外の売上が国内売上を超えた。そこには各国の事情に合わせる独自の販売戦略がある。

 小林製薬(本社・大阪市)が20年前に発売した額に貼る冷却シート「熱さまシート」が、海外でじわじわ人気を集め、2013年度に、初めて海外売り上げが国内を上回った。現在は東南アジアを中心に約20カ国で展開。発熱や頭痛用のほか、暑さ対策など新たな使い方も開拓し、市場を拡大中だ。
 熱さまシートは国内売り上げが約20億円で、冷却シート市場での国内シェアは50%強。海外では1996年に香港を皮切りに販売を開始し、2013年度は約25億円を売り上げた。
 普及の背景には、各国の事情に合わせて需要を生み出す独自の販売戦略がある。発熱時に額を冷やす習慣があるマレーシアなどでは、日本と同様、子どもの発熱時に使う商品として売り込んだ。
 タイでは「クールフィーバー」という商品名で売られ、テレビCMも放映中。熱冷ましに解熱剤の服用が一般的な欧米では、大人の片頭痛対策などの用途を前面に出した。
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 近年は他社製品との競争が激しいが、小林製薬アジア戦略部の秋田浩司部長は「暑さ対策の需要はさらに開拓できる」と強調。インドネシアや中国内陸部など、経済成長が著しい地域を中心に販売網を強化する考えだ。
 海外では、国内のように新商品を次々と投入することが難しいため、熱さまシートをさらに売り込むことで「コバヤシ」の認知度を高め、海外の販売拡大を目指す。秋田部長は「小林製薬の代名詞となる商品に育てたい」と意気込んでいる。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/19/news039.html
─情報元:Business Media 誠サイト様─