メディアの仕事に携わっているので番組の制作に協力することもある。その縁でテレビ局のディレクターらとも少なからずお付き合いがあるので、彼らから教えてもらった“テレビウケするポイント”なんかをお伝えすることが多い。もちろん場合によっては、テレビ業界で力になってくれそうな人を紹介することもあるし、過去には実際に放映されるにいたったこともある。
ただ、みんながみんなにそういう対応をするわけではない。
相手によっては「さあ、どうすればいいんでしょうかねえ……」と言葉を濁す。といっても、好き嫌いでスッとぼけているわけではなく、その方が事業を立ち上げたばかりだったり、まだ経営が安定しているとは言い難い状況にあったりする場合、こういう対応をしているのだ。
そう聞くと、なんて嫌なヤローだと思われるかもしれない。藁(わら)をもすがる思いで、テレビに紹介されたいと言っているんだから助けてやれよ。そんな声が聞こえてきそうだが、そういう風に切羽詰まっているからこそ私としては助けられない。
みなさんの身近でも、「テレビに紹介されました」という色褪(あ)せた張り紙が貼ったまま、閑古鳥が鳴いているような飲食店はないだろうか。事業が軌道にのっていない者が「テレビ」で取り上げられても瞬間風速的に宣伝効果はあるが、実力が伴わないのですぐにその“反動”がきてしまう。しかも、もとの状態に戻るだけならば一時のお祭り騒ぎでいいが、予期せぬようなダメージを受ける場合もある。
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─情報元: Business Media 誠サイト様─