2015年4月23日木曜日

「セクハラ」を口実に あなたがリストラされる日

 今回は、前回の続編として、企業でセクハラに関わるトラブルが生まれる背景に迫りたい。東京管理職ユニオンの設楽清嗣氏に取材をしていくと、セクハラなどが生まれる構造には、「価値観共有」などと称して社員たちが1つになろうとする文化が関係しているようだ。会社の上層部は、組織がまとまりを欠いて混乱することを恐れるあまり、「異端社員」を認めたがらないものだ。そのため、あえて「みなで1つになろう」とアピールする。そんな空気のなかでセクハラ騒動の当事者となった社員たちは、どちらに非があるにせよ、男性側も女性側も「異端児」扱いされ、徹底的に排除される。ここにも、企業がタテマエとホンネを使いわける「闇」がある。
 記事の後半では、日本の社会全体にもその「闇」が広がっていることを指摘した。あなたの職場では、「異端」を排除する空気が強まっていないだろうか。そして、そのことがセクハラ騒動の温床の1つになってはいないだろうか。

「君がどんな男性とつきあっているか
話してくれなかったのは、残念だね」

東京管理職ユニオンの設楽清嗣氏
設楽 (前回の記事で紹介したような)満員電車に乗っているときだけでなく、女性から積極的にアタックしてきた場合は、男性は気をつけたほうがいいだろうね。特にリストラのターゲットになっている社員に女性が近寄ってくる場合は、背景に何か組織的な陰謀があるかもしれない。会社は、そのくらい怖いところだよ。
筆者 会社員が生きるのは困難な時代なのですね……。
設楽 人事の評価は1日で変わり得るから。上の人たちはチャンスと思えば、その社員を切ってくる。少々仕事ができたとしても、辞めるように仕向けることはある。たとえばセクハラが判明しただけでも、「そんな男はもう辞めさせろ」となる。
 一例を挙げると、都内に本社を構える外資系の製薬会社で、20年以上勤務して業務部長をしていた男性がいた。単身赴任で名古屋にいた。社内には労働組合があり、組合員の社員たちに聞き取りをしたところ、その部長のセクションでは時間外労働の管理が杜撰だった。
 組合の執行部は、人事部に「こんなことでは困る!」と伝えた。そのとき、執行部は部長が社内の女性にセクハラを行っていることを聞いた。そこで人事部は、緊急に調査した。
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─情報元:ダイヤモンド・オンラインサイト様─