高熱はこどもの脳に大きなダメージを与える―。そんな話、子育て経験者ならば一度は聞いたことがありますよね。これ、本当なんでしょうか。『何でも相談こどもクリニック~新たなスタイル~』の著者で医師の宮田大揮先生によると、通常、高熱でも脳に後遺症を起こすことはない、ただし注意も必要、とのこと。こども集中治療科の経験と研究に裏打ちされた解説をお読みください。
こどもの高熱、脳へのダメージは?
こどもの熱は39度、40度を超えることもあるのですが、小児科に行くと
「熱は下げなくて大丈夫」
「解熱剤はださないから。熱性痙攣というひきつけを起こすこともあるよ」
「脳が駄目になることはないから」
「解熱剤はださないから。熱性痙攣というひきつけを起こすこともあるよ」
「脳が駄目になることはないから」
と言われると思います。さてそれは本当なのでしょうか?
嘘ではありませんが、説明が不足しているように思っています。こどもの発熱は通常は確かに高熱でも脳に後遺症を起こすことはありません。
それは、集中治療科というこどもの重症を診る治療を専属でやっていた経験+研究から説明が可能で、体温が39度、40度という状態でも脳にいく血液が首にある血管を通過する際に脳血管関門というフィルターを通過するときに、おおよそ2度くらい下げてくれます。
そのため、39度の熱があっても37度の体温が脳を循環するためタンパク質の変性を起こすことはありません。つまり41度を超える体温でなければ39度以上の温度が脳を循環することはないためタンパク質の変性は起こさないというわけです。
42度、43度という高熱が続くと可能性があるのですが、そのような高熱が続く場合は通常の風邪ではなく日本脳炎やその他心配な病気が隠れている場合があるためチェックが必要です。また、鼓膜の温度が40度ということがあるのですが、鼓膜温度は基本的に輻射熱というもので鼓膜の温度から腋窩温度を推測しているので、脳の温度を見ているわけではないので脇の下と同じと思ってよいです。
しかし、脇の下と鼓膜の温度の違いが出ることが有ります。そのことは次回のメルマガでお伝えしますが、耳の温度をチェックすることで中耳炎を見つけることができるので、中耳炎がある場合には温度差が生じてしまいますのでご注意ください。
http://www.mag2.com/p/news/16663
─情報元:まぐまぐニュース!サイト様─