2015年9月28日月曜日

年収1千万円超!? 「年下低収入男」を狙う“3K女性”

 今は結婚して家庭に入るのは、何も女性に限ったことではない。

 まだ結婚すれば女性が家庭に入るという価値観が根付いていた1980年代後半から90年代初めのバブルの時代。女性が結婚相手男性に求める条件は「高身長」「高学歴」「高収入」――すなわち“3高”だった。

 だが時代は移ろい、この3高は、男性が結婚相手女性に求めるものへと変わりつつあるようだ。“3高”ならぬ“3K”と呼ぶべき女性が出てきている。高学歴、高収入という条件はバブル期のそれと同じだ。異なるのは高身長に代わる「子どもあり」である。


 高学歴、高収入、子どもあり――この条件を満たすのは都市部に住むオーバー40のキャリア女性に多い。そして、このキャリア女性の配偶者に、今、アラサー世代の“カネなし”“友なし”“彼女なし”、年収は高くても300万円程度という“ド底辺層”の男性がにわかに注目されているという。

「ずっとキャリアとして働いてきた彼女たちは、職場でもプライベートでも、そのベクトルは仕事。なので結婚しても配偶者を“サポートする”のではなく、“サポートされたい”という意識が強い。低収入の年下男性と年上のキャリア女性のカップルは、そうしたニーズに合致したものといえます」(大阪府内の結婚相談業者)

 そんな”格差カップル”の結婚生活の実態を追った。

 東京都内に住むサチコさん(42)とショウヘイさん(33)夫婦は、昨夏、結婚する際、「夫は妻を支える」「妻は夫を外に働きに出すことはしない」を条件に結婚した。

 大手企業総合職の妻・サチコさんの年収は1200万円程度。前の夫との間に出来た小6の娘がいる。職場では管理職として多忙を極め、プライベートでは中学受験を控えた娘のために、進学塾や習い事の送迎など、とても自分の時間は取れない。だから、家事もままならない。とても再婚して夫である男性をサポートするなど無理だ。むしろ夫は専業主夫、“ハウス・ハズバンド”であることが望ましかった。

「娘のことを考えると父親がいたほうがいいに決まっています。でも、私が夫をサポートする結婚なら、また私への負担が大きくなってしまいます。なので私をサポートしてくれる、そんな条件での結婚を承諾してくれる男性をずっと探していました」(サチコさん)

 ハウス・ハズバンド求む――そんな条件で、今週は異業種交流会、来週は合コンとマメに顔出し、婚活に励んだサチコさんが見初めたのがショウヘイさん(33)だった。 関西の名門大学の博士課程卒。だが研究職に就けなかった、いわゆるオーバードクターだ。ルックスこそジャニーズ系のイケメンだが、実質、無職。収入はパートタイムで行なうPCインストラクターと試験監督など大学内で院生向けに募集されるアルバイト収入のみ。知り合った当時の年収は150万円に満たなかった。ずっと研究生活ひと筋。だから友達もいない。もちろん女性との交際経験もない。

 2人の共通の友人が主催する異業種交流会で、サチコさんはショウヘイさんの状況を聞き、「結婚するならこの人しかいない」と「天の声」が聞こえたという。

 女性経験がないのなら私が彼を大切にすれば、きっと彼は私だけをずっとみていてくれるはずだ。研究活動は安定した生活があってこそ出来る。ならわが家にくればいい。彼には家事一切を担ってもらい、その合間に研究活動をすればいい。離婚以来、父がいないことで寂しい思いをさせてきた娘にとっても、いい父であり兄にもなってくれるだろう。何より博士課程卒の高学歴。中学受験を控えた娘にとってもいい話だ。友だちもいないのなら、居場所はわが家だけだ。皆が幸せになれる――そこにはこんなサチコさんの思いがあった。



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