仕事をしている方は特に、アルコールが関係するお付き合いとご縁があることも多いと思います。
お酒のコミュニケーションは確かに話が盛り上がることもありますが、もともとお酒が好きなのに妊娠したから飲めない…と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。妊婦と飲み会との関係。どう考えたらよいのでしょうか。
参加するか迷う「飲み会」まずは、アルコールの影響を知っておこう!
最近は働いている妊婦さんが昔と比べてずいぶんと多くなっています。お子さんがいない場合には、帰りが遅くても多少は大丈夫という思いもあるからでしょうか。声をかけられることは多いと思います。
でも妊娠したとなれば話は変わってきます。お酒のこと。周囲に喫煙者がいるかもしれない。このような環境での飲み会はどうしたらいいのか迷いが出てくるかもしれません。
アルコールにも記載!妊娠期間中は胎児に影響を与えてしまう可能性が…
「妊娠中と授乳中はアルコールを飲むと胎児や赤ちゃんに影響が出る恐れがあります」と、缶ビールやアルコールなどに記載されるのが当たり前の時代になってきました。
少し前はこのようなことが書かれていませんでしたので、アルコールが胎児に影響を与えるかもしれないとわかっていても「少しくらいいいでしょう」と飲ませる人や飲んでしまう妊婦さんも今より多かったかもしれません。
妊娠中に読む本でも、私の記憶を辿ってみますと、13年前ならば「アルコールはなるべく控えたほうがいいでしょう。特に妊娠初期は胎児に影響を与えます。飲みたい場合には少しだけにしましょう」でした。
しかし今では「全ての妊娠期間中に胎児に影響が考えられていますので、いつでも飲まないほうがいいです」という流れになっています。
もちろんアルコールを多少飲んだところで胎児に100パーセント影響が出る、とは言えませんが、100パーセント大丈夫とも言いきれません。もしも胎児に何かあったときに「あのときアルコールを飲んでいたからだ」という後悔をなくすためにも、注意勧告しているのかなと思います。
妊娠のどのタイミングでアルコールが影響するの?
妊婦さんにとってのアルコール。よく言われているのが「妊娠に気が付く前に飲んだお酒は問題ない」ということです。
通常妊娠に気が付き、ようやく胎児らしい形が少しずつ出来始めるので、妊娠しているか、していないかわからないタイミングでは、まだ胎児に影響が出ないと考えられているようです。
もしも受精のタイミングでアルコールなどが影響を与えるとしたら、妊娠自体が出来ないというわけです。妊娠するには様々なハードルが立ちふさがり、それをクリアしていかなければなりません。
つまりアルコールがもしも受精の時に関係しているのならば、妊娠していない可能性もあるというわけです。しかしアルコールを飲んでいても妊娠はします。そしてその後も胎児はすくすくと成長していきます。
体だけでなく、脳や神経など細かい部分まで一人前になれるようにと細胞が活発になっていくので、妊娠に気がついた時点から神経質に見守っていく必要があります。
胎児への影響は?飲んだらどのようにアルコールが伝わっていくのか
気になるのは「万が一お酒を飲んだら胎児にはどう伝わるのか」です。妊婦さんがアルコールを飲むと、へその緒を通じて胎児にもアルコールが伝わると言われています。
飲んだ分がそのままダイレクトに流れていくのではなく、薄まっていくようですが実際のところは胎児ではないので、どのくらいの量がどのくらいの濃さで伝わるのか、その時々によって変わるので正確に「どれくらい伝わります」と言えないのです。
ただしやはり飲んだ量が多ければ胎児にそれだけ影響が出やすい、というのがわかっています。
「胎児性アルコール症候群」を知っていますか?
妊婦さんがお酒を飲むと、胎児が影響を受ける事が少しずつ明確になってきました。
胎児性アルコール症候群という名前はご存知ですか?妊娠してからいつ飲んでもこの病気になりやすいということがわかり、全面的に飲まないようにと指導されているのです。この病気を予防するのは「妊娠中に飲まないこと」です。
胎児性アルコール症候群になってしまう胎児の確率はよくわかっていません。「妊娠中のアルコールが胎児にとって全面的に安全です」と言われていない今では、リスクを避けることが賢明でしょう。
胎児性アルコール症候群は胎児の脳に影響を与える事が多く、出産して赤ちゃんが成長していくうちに「何かちょっと他の子と違うかも」と感じて調べると、実は妊娠中のアルコールが原因だった、などということもあります。
胎児性アルコール症候群の診断基準があるのですが、赤ちゃんが特徴的な顔をしていたり、低体重で産まれたりする事もあります。
ADHDなどは成長するまでわかりませんし、妊娠中のアルコールだけが原因ではありませんが、アルコールを飲む事でリスクが上がります。
飲み会では「禁酒」が絶対!!すすめられても断る姿勢でいよう
お酒が大好きな方には禁酒が辛いかもしれませんが、妊娠がわかった時点ですぱっと禁酒したいところです。早めに止めたら当然リスクが軽減されます。出産近くまで不定期に飲んでいた方と、妊娠してすぐに止めていた方では飲酒の回数も量も全く異なります。
ここで問題が起きます。既に妊娠していると周りに話をしている方はいいのですが、まだ妊娠している旨を周りに話していない方の場合にどうすればよいか?ということです。特に普段からアルコールが好きな方が一切飲まない、というのは飲み会の場では目立ちます。
私の知り合いも妊娠している事を隠して飲み会に参加し、周りから「なんで飲まないの?」と散々言われているのを見た事があります。彼女は「今日は胃の調子が少し良くなくて」と誤魔化していました。
関連会社や別会社の方には「明日健康診断だから」と断れるでしょう。「昨日も飲んで大変な事になったばかり」や「お昼に頭が痛くて頭痛薬飲んだから」など服薬しているという発言でその場を逃れるという手もあります。
飲み会をきっかけに妊娠とカミングアウトするのもひとつの方法です。ただし、既に上司へ話はしておくのが基本だと思います。上司すら知らないで告白してしまうと、上司に対して失礼です。必ず発言には順序があるので守りましょう。
妊娠中だとわかっていると「妊婦さんだからね」と誘われない事があるかもしれません。中には「飲めなくても食べてればいいよ」と声をかけられることもあるでしょう。
私はマストな飲み会ではないのならば、あえて参加する必要はないと判断きっぱりと断る方法をお勧めします。周りが妊婦さんだと認識しているのならば「すみません。体調が良くないので」と言えば無理やり誘うマナー違反もないはずです。
理由としては、飲み会の場所ではタバコを吸う方がいるかもしれませんし、近くの席にヘビースモーカーがいたら逃げられないというケースが考えられるからです。
絶対出席の場合は、アルコールを・タバコを体にいれない工夫を!
それでも「仕事の打ち合わせを兼ねた飲み会なので参加を」と言い切られたら、断るのが難しいでしょう。その場合はアルコールを飲まないのは原則です。
既に妊婦であることを周囲が知っているのでしたら、なるべくはじのほうに座り、周りは禁煙のメンバーで囲んでもらうのがベストです。
最近ではだいぶ年配の男性も、妊婦さんにはお酒とアルコールが良くないと認知され始めています。
席に座る前に周りの方に「タバコの煙で気分が悪くなるかもしれないので、隅っこにしてください」と宣言しておくほうが気楽です。
流石に、今では妊婦さんにアルコールを飲みなさい!という人はほとんどいないと思います。妊娠を隠している場合は、「飲んだら倒れます」「一口飲んだら吐く体質になりました」などというセリフでお断りすることが必要です。
飲ませる人は、万が一の事があっても責任を取れる人ではないのです。無理に飲まなければ!とならなくてもいいので、飲み会に参加しても必ず禁酒をするようにしましょう。
また参加する場合には、ずっと座っていたら足がむくむとか体調が悪くなったりする可能性があります。妊娠中だと言うほうが何かと楽な事もありますから、この時点で思い切って妊婦であると打ち明けるという選択も有りだと思います。
飲んでから後悔しないために!自分を持とう
妊娠前からお酒が好きな方には、つわりの落ち着いた時期だと飲めない飲み会がつまらないと感じるかもしれません。一口くらいならば、と飲んでしまう方もいます。
他にも「一人目の時に少し飲んだけれど、特に問題なかったから」という変な根拠で飲もうとしがちです。しかしちょっと待ってください。先ほど記した胎児性アルコール症候群は一人目の時に発症しなくても、二人目のお子さんで発症するかもしれません。
それは誰もわからない事なのです。だからこそ飲んでから「あの時飲まなければ良かった」と後悔して欲しくないのです。
胎児にもしもの事があったら、あなたと耐えられますか?しかもその原因があなたの飲んだアルコールだったらどう責任を取れるのですか?
飲んでしまった事実は決して覆せません。きっぱり「飲まない」という態度で妊娠期間を過ごしてください。
周りが飲んでいるだけで苦痛…アルコール好きならば欠席を選ぼう
周りが楽しくお酒を飲んでいたら、つい飲みたくなる気持ちはわかります。だからこそ飲みたくなってしまう環境から遠ざかる、という選択肢は有効です。
私は時々アルコールを飲みますが、アルコールがないとダメというタイプではないので、妊娠中にどうしても参加しなくてはいけない飲み会があってもそう苦痛ではありません。
しかしお酒好きには辛い場所であるのは間違いありませんから、あえてその苦痛な空間にいる事はお勧めしたくないのです。
自分が我慢出来なくなりそうとわかっているのでしたら、初めから辞退したほうが母子のためです!
一口だけ…これはあくまでも自己責任になります
自己責任でいいとう方は、一口だけ飲むということをされている方もいるかもしれません。その一口で止められるかはわかりませんし、その一口がどう胎児に影響するかは出産してからでないとわからないからできることかもしれません。
もちろん影響が出ない事のほうが多いのですが、それは今までの流れであり、あなたのお腹の胎児が大丈夫だという保証はないのです。今どこかで「妊娠中にアルコールを飲まなければ良かった」と後悔している方がいるかもしれない、という事を思い出してそれで判断をしてください。
胎児性アルコール症候群に関しては1991年に、1000人に0.1~0.05人というデータしか残っておらず、それ以降のデータはありませんでした。胎児になんらかの影響が出てしまった場合には、アルコール以外の原因もあるので明確にアルコールが原因だと断定出来ないのかもしれません。
妊婦さんにはやはり「飲み会」は適していない場です!
妊婦さんとアルコールの関係について記してきました。結果、飲み会は妊婦さんにとってとても不向きな場所であるという結論となります。
なぜなら、アルコールを飲ませない方がいない、誰もタバコを吸わないという飲み会は事実上ないに等しいと思いますので、妊婦さん、胎児共になにかしらの影響があると言えるからです。
個室で予約している、もしくは貸し切りである、という状態ならば食事を楽しめばいいので参加してもいいでしょう。しかしお酒の席でタバコを吸う人が皆無という状況はレアケースです。そしてお酒を我慢出来るのかも大事です。
普段から飲む方には、周りで楽しそうに飲まれたらつい自分も飲みたくなってしまうかもしれません。お腹の赤ちゃんを元気に出産するのは当たり前のように思えますが、そんな事はないのです。ぜひ大事な命を守るためにも賢明な判断をして欲しいと思います。
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─情報元: MARCH(マーチ)サイト様─