ツイッターは世界中の見知らぬ人々や友人との間のやりとりをするのに、もっとも最高のツールのひとつです。しかし言うまでもなく、ツイッターは超危険な兵器でもあるのです。
日本でもうかつに愚かなツイートをしたことにより、世の中に騒動を招いたトラブルや事件は起きていますが、アメリカでもそれは同様です。
- ツイッター上で新ユニフォームをけなしてピザレストランを解雇された店員
- 就職の内定に興奮してそのことをすぐさまツイッターに投稿し、内定取り消しになった学生
- ハロウィーンのコスプレの際に、テロの犠牲者に扮した自身の画像をツイッターにアップし会社を解雇された女性
等々、文章や画像を投稿する前によく考えなくてはいけませんね・・・。今回はツイッター投稿により、仕事を失った・収入を失った人々をご紹介してみたいと思います。
その1:人気ドラマ「グリー」のネタをバラしちゃった!
アメリカンドラマファンの間では、「glee/グリー 踊る♪合唱部!?」の名前を知らぬ者はいないでしょう。日本でもEテレで放送され、大人気を博しました。
ニコール・クラウザー(Nicole Crowther)という女優はシーズン2にちょこっと出演したエキストラでした。
「グリー」ファンたちが「シーズン2の最後はどうなるの?」と噂をしあっている最中、彼女は自身のツイッターで、大ヒットドラマ「グリー」のネタバレをしました。このことを耳にした番組PDは激怒し、ニコールのツイートにリツイート。
「君はエンターテイメント以外の場所で才能を発揮させた方がよさそうだ。才能豊かなプロたちが何か月もかけて仕上げた作品を、どうしてそう簡単にダメにしてみせるのか」
当然ニコールはすぐに降板。もう数話分には出演する予定があったそうですが、すべての契約が解除されました。
しかし「LA TIMES」の取材で彼女は「自分のしたことを悪かったとは思っていないわ」と発言。「Times」のインタビューでは、「恥じるべきことは何もしていないし、隠すべきものも何もないわ。」と胸を張って答えています。
真意は分かりかねますが、虚勢を張っているだけなのかもしれません。そして本当に悪気はなかった、ただグリーファンたちを喜ばせたかった、注目を浴びたかっただけだったのかもしれません。
hollywoodreporter.comによるとネットワークまたはケーブル系列の連続テレビドラマに出演する場合の、新人俳優のギャラは(各話ずつで)1万5000~2万ドル(約181万~242万円)です。
グリーの場合はいくらのギャラを実際に貰えるのか分かりませんが、世界中で放送された大ヒットドラマであっただけに、エキストラ女優でもそこそこの金額を受け取っていたのではないでしょうか。
深く考えないでツイートしてしまった代償はあまりにも大きかった、と言えるでしょう。
その2:自動車メーカー社員が街中のドライバーの悪口!
Scott Bartosiewiczは自動車メーカーのクライスラーにてニューメディア戦略のアカウントスーパーバイザーとして働いていました。ある時、デトロイトの街のめちゃめちゃの交通状況にイラつき、
「デトロイトはモーターシティとして知られているけど、この街の人たちはちゃんとした運転(FU○KING DRIVE)ができていないよな」
とツイート。彼は個人のアカウントで投稿したつもりだったのですが、間違えてクライスラー社のオフィシャルアカウントでツイッターに投稿してしまいました。
後悔と反省をしたものの、すぐさまBartosiewiczは解雇されました。2011年のことです。
theladders.comによるとクライスラーグループのスーパーバイザーの推定平均年収は12万ドル(約1453万円)。恐らくこの金額に近い(もしくは上回る)金額をもらっていたであろうBartosiewiczは大きな収入を失ってしまいました。
その3:ある人物の死に哀悼の意を表してしまった結果・・・
レバノン出身のジャーナリストでありCNNの編集デスク、オクタビア・ナセル。彼女は20年もの間、同社の中東情勢専門分野で働く大ベテランでした。
2010年7月4日、反イスラエル主義だったムハンマド・フセイン・ファドラッラー(レバノン人のシーア派イスラム教の最高位権威法学者)が他界しました。ナセルはCNNのロゴが入っているツイートページに
「(大アヤトラ)サイード・ムハンマド・フセイン・ファドラッラー…逝去をしたと聞き悲しく思っています。彼は私が非常に尊敬の念を抱く、ヒズボラの偉人の一人でした」
と投稿しました。
ファドラッラーがいかなる人物だったか、一言で説明するのは難しいです。少なくともイスラエル側、アメリカ側にしては眉をひそめるような存在であった、と言えるのは間違いありません。
ナセルの、ファドラッラーに対するそれまでの評価を読んでも、決して彼寄りのものではありません。しかし同じレバノン出身で、中東情勢専門家のナセルとしては、ファドラッラーの死に、しみじみと思うことがあったのでしょう。
そこで「悲しい(SAD)」「尊敬する(RESPECT)」の言葉を用いたのではないでしょうか。
しかしこのツイートが原因となり、彼女はCNNを退職する羽目に追い込まれました。
その後、自分の真意を説明するツイートも投稿したのですが、全くもって聞き入れてもらえませんでした。この件については、さすがにアメリカ国内でも同情の声が多く寄せられました。
glassdoor.co.inによると、CNNの編集デスクの基本月給は推定2万3435ドル(約283万円)。ナセルは素晴らしい給料を失いました。が、同時にCNNは大きな人材を失ったともいえるかもしれません。
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─情報元: お金の学校サイト様─