198: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/09/22(土) 21:39:50.00
図書館で借りた本に栞が挟まってた。
タティングレースで編んだいかにも手作りっぽい可愛いしおりは、
すごく手が込んでる様に見えたから、返却する時に司書さんに頼んだ。
俺より前に借りた何人かのうちの誰かが忘れたものだと思ったので。
「すごくきれいで勿体無いので、できれば返してあげて下さい」
「はい、お預かりします」
自分で頼んでおいてアレだけど、そんなの本来の仕事じゃないだろうに、
いわゆる文学少女がそのまま大人になったみたいなメガネの司書さんは、
愛想良く笑った。きっとこの人に預かってもらえれば持ち主に戻るって、
根拠も無く俺は思った。そういう笑顔だったね。
自分の手を離れて安心してしまい、そんな事すっかり忘れた一ヶ月後の
図書館で、司書さんに話しかけられた。
「あの栞、ちゃんとお返ししておきました」
「あー、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました」
「?」
改めて司書さんにお礼言われたのがいまいち腑に落ちなかったが、
その理由は後で解った。
栞は司書さんが自分で本を借りた時に挟んだままにしてしまったもので、
編み物も得意な本人の手作り。その場でお礼を言いたかったけど、
利用者の情報は秘密厳守なので、ひとまず、預かったということにした
というのが真相だった。あれは素で嬉しかった笑顔だったのね。
てなわけで、その司書さんが嫁です。
タティングレースで編んだいかにも手作りっぽい可愛いしおりは、
すごく手が込んでる様に見えたから、返却する時に司書さんに頼んだ。
俺より前に借りた何人かのうちの誰かが忘れたものだと思ったので。
「すごくきれいで勿体無いので、できれば返してあげて下さい」
「はい、お預かりします」
自分で頼んでおいてアレだけど、そんなの本来の仕事じゃないだろうに、
いわゆる文学少女がそのまま大人になったみたいなメガネの司書さんは、
愛想良く笑った。きっとこの人に預かってもらえれば持ち主に戻るって、
根拠も無く俺は思った。そういう笑顔だったね。
自分の手を離れて安心してしまい、そんな事すっかり忘れた一ヶ月後の
図書館で、司書さんに話しかけられた。
「あの栞、ちゃんとお返ししておきました」
「あー、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました」
「?」
改めて司書さんにお礼言われたのがいまいち腑に落ちなかったが、
その理由は後で解った。
栞は司書さんが自分で本を借りた時に挟んだままにしてしまったもので、
編み物も得意な本人の手作り。その場でお礼を言いたかったけど、
利用者の情報は秘密厳守なので、ひとまず、預かったということにした
というのが真相だった。あれは素で嬉しかった笑顔だったのね。
てなわけで、その司書さんが嫁です。
199: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/09/22(土) 21:39:51.00
>>198
良い話じゃないか~、もっと聞きかせてよ
良い話じゃないか~、もっと聞きかせてよ
200: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/09/22(土) 21:39:52.00
>>198
文学少女の気持ちを掴んだのか。
裏山だな。
是非、物語を一つでお願いします。
文学少女の気持ちを掴んだのか。
裏山だな。
是非、物語を一つでお願いします。
203: 名無しさん@お腹いっぱい。 2012/09/22(土) 21:39:55.00
>>198
いい話だな~
是非とも、その後の話をkwskして欲しい。
気が向いたら馴れ初めスレにでも語ってくれるとうれしいな。
いい話だな~
是非とも、その後の話をkwskして欲しい。
気が向いたら馴れ初めスレにでも語ってくれるとうれしいな。
【昔を】みんなの馴れ初めをおしえて【思い出して】 その6
607: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/01/07(月) 02:01:11.93
初めてした会話のスレで気が向いたらこっちでkwskと言われてたので、
正月休みにkwsk書いてみた。んで、ちょっとお邪魔させてくれ
正月休みにkwsk書いてみた。んで、ちょっとお邪魔させてくれ
608: 607 2013/01/07(月) 02:01:47.16
その頃引越した街には、なかなか広くて設備も新しい図書館があって、
そこはタダで静かで空調も快適だったから、
当時なんちゃってミステリファンの大学生だった俺は、
金が無い時の暇潰しに良く使っていた。
通い始めて三ヶ月くらいの頃だったか、借りた本に栞が挟みっぱなしになってるのを見つけた。
レース編みの手作りっぽいかわいい栞は、
当時編み物の知識も興味も全く無かった俺ですら解るくらい手が込んでいて、
そのまま放置するにはもったいないクオリティだった。
これはきっと、俺以前に本を借りた誰かが挟んだまま返却してしまった物だろうと考えた俺は、
できればその誰かに返してあげたいんですがと司書さんにお願いした。
その時が彼女との初対面。愛想よく「お預かりします」と答えた笑顔がいかにも仕事できます的な
余裕たっぷりで頼もしかったから、この人に預ければきっと大丈夫って、
ちゃんと栞は持ち主の手に戻るって、俺は根拠も無くそう思った。
後で聞いてみれば、彼女がその図書館に勤め始めたのは、
俺が引越してくるずっと前だったそうで。だから、当然既に何度か顔も合わせてた筈なのに、
それ以前は存在が全く印象に残ってなかった。
黙ってるとクールな感じだが、話すと実は物腰が柔らかく表情豊かで、
見た目は清潔感のあるメガネの文系タイプっていう、それこそ思い切り俺の趣味ど真ん中な人だったんだけどね。
そこはタダで静かで空調も快適だったから、
当時なんちゃってミステリファンの大学生だった俺は、
金が無い時の暇潰しに良く使っていた。
通い始めて三ヶ月くらいの頃だったか、借りた本に栞が挟みっぱなしになってるのを見つけた。
レース編みの手作りっぽいかわいい栞は、
当時編み物の知識も興味も全く無かった俺ですら解るくらい手が込んでいて、
そのまま放置するにはもったいないクオリティだった。
これはきっと、俺以前に本を借りた誰かが挟んだまま返却してしまった物だろうと考えた俺は、
できればその誰かに返してあげたいんですがと司書さんにお願いした。
その時が彼女との初対面。愛想よく「お預かりします」と答えた笑顔がいかにも仕事できます的な
余裕たっぷりで頼もしかったから、この人に預ければきっと大丈夫って、
ちゃんと栞は持ち主の手に戻るって、俺は根拠も無くそう思った。
後で聞いてみれば、彼女がその図書館に勤め始めたのは、
俺が引越してくるずっと前だったそうで。だから、当然既に何度か顔も合わせてた筈なのに、
それ以前は存在が全く印象に残ってなかった。
黙ってるとクールな感じだが、話すと実は物腰が柔らかく表情豊かで、
見た目は清潔感のあるメガネの文系タイプっていう、それこそ思い切り俺の趣味ど真ん中な人だったんだけどね。
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http://oniyomech.livedoor.biz/archives/47889528.html
─情報元:鬼嫁ちゃんねるサイト様─