ネットサービスに比べ、小売店舗では消費者の行動データを把握しにくいといわれる。その壁を打ち破るべく、体験型店舗「b8ta(ベータ)」への出品を決めたのがカインズ(埼玉県本庄市)だ。AI(人工知能)カメラで消費者の動きを追う最新店舗で得たデータを、既に商品づくりや店舗改良、マーケティング施策に生かし始めている。出品の狙いと効果に迫った。
さまざまな履歴データを蓄積できるネットサービスに対して、リアル店舗で集められるデータは限定的――。それが常識だった。利用できるものは、基本的にID-POSなどの実際に購入に至った場合のデータ。自社アプリに登録した会員であれば、アプリの閲覧・利用履歴などを組み合わせることもできるが、消費者の行動を把握するのは困難だ。
だが現在、AIカメラを取り付け、店舗内での人の行動を追うなど、リアルな場所でさまざまなデータを取得する新技術が生まれている。そんな中、店舗に多数のカメラやタブレット端末を設置する、小売りDX(デジタルトランスフォーメーション)の象徴ともいえる最先端の店舗が東京で話題を集めている。体験型店舗と銘打つ「b8ta」だ。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00427/00003/