さまざまな業界でデジタル化が求められる昨今だが、広告業界もその例外ではない。そうした中にあって、広告メディアの次世代モデル「AaaS(Advertising as a Service、アース)」を提唱し、デジタル広告の変化に向けた新たな取り組みを推し進める博報堂DYメディアパートナーズ(東京・港)は、どのような形で新しい広告ビジネスのあり方を実現しようとしているのだろうか。同社の矢嶋弘毅社長に話を聞いた。(聞き手は日経クロストレンド編集長・吾妻拓)
コロナ禍の影響からは回復傾向に
編集長・吾妻 拓(以下、吾妻) 電通が2021年2月、20年の日本の広告費が前年比88.8%の6兆1594億円になったとの推定を発表しました。新型コロナウイルスの影響はどの程度ありましたか?
矢嶋 弘毅氏(以下、矢嶋氏) 20年度の前半はすごく厳しかったですが、後半は伸びる業種も出てきました。業種的にいい会社はすごく良くて、全てがマイナスの影響を受けているわけではないのですが、やはり「コロナ7業種」といわれている業種(飲食、宿泊、陸運、小売り、生活関連、娯楽、医療福祉)は結構厳しかったように思います。
吾妻 直近で広告の出稿は増えてきているのでしょうか。
矢嶋氏 20年4月から5月にかけての緊急事態宣言以降、広告市場はまずデジタルから、その後テレビ、新聞といった順で回復していきました。一時はデジタル広告が市場全体の7割くらいを占める状況でしたが、新聞や雑誌なども7~8割程度回復していて、現在デジタル広告が全体に占める比率は5割弱くらいになっています。
デジタル広告が伸びるときに、他メディアの広告も伸ばせる広告会社は強くなると思っています。デジタルが伸びるときにその流れについていけないと、他のメディア広告も売れなくなってしまうと以前から言ってきたのですが、まさにそのような状況になっているように思いますね。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00220/00028/