今月12日に本邦初の15歳未満の脳死ドナーからの各種臓器移植が行われたが、「週刊文春」が4月28日号でドナーの“死因”を取り上げその問題点を追求しようとしている。「週刊文春」によれば問題点は次の3つ。
1. ドナーの死因は投身自殺である疑いが強い。
2. 死因に関して警察の十分な調査が行われていない。
3. 日本臓器移植ネットワークは死因に関してノーコメントである。
週間文春は取材を通して、臓器移植法改正後もなかなか現れない小児脳死ドナー第1号の確保に焦り、日本臓器移植ネットワークが“ドナーの死因”という倫理的ファクターをないがしろにしたのではないかという疑念を提示している。
あくまで取材の内容が正しければ―だが、死因が自殺であった可能性があることと、日本臓器移植ネットワークがその点について明白に述べないのは重大な問題である。子供の死因に自殺の可能性がある場合、警察などの関係諸機関はその動機を含め精査を行う。背後に虐待やいじめが隠されている可能性もあるからだ。なかなかいじめを認めなかった学校が後になってしぶしぶいじめを認めたケースも数多い。虐待やいじめの匂いがする場合には脳死判定は禁止される。中には自殺の動機が加害者による虐待やいじめではないことが明確に判明する事例もあるだろう。しかしその死は結局“家庭や社会が救えなかった無念の死”である。その犠牲者の五体を「命のリレー」などの美辞麗句で臓器移植に再利用することに対して抵抗感を持つ人も多いはずだ。仮に12歳の少年が「中学受験に失敗したので死にます。私の臓器は誰かのために使ってください。」という遺書を残して自殺を図り脳死に至ったとしても、はたして「じゃーいただきます。」と言って臓器を摘出してよいのだろうか?結局、Forensicな問題のみならず、重大なEthicalな問題が残る。だから、自殺の可能性が微塵もないことを二重三重に確認することが必要だ。
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─情報元:BLOGOS(ブロゴス)サイト様─