例えば、元トップ営業マンが課長になったとしよう。多くの新米課長は、「オレ流」を部下に押しつける。「オレの言う通りにやれ。そうすれば必ずトップ営業マンになれる」。しかし、部下は課長と「同じ」になれはしない。そして部下が挫折し、ついで新米課長も挫折する。
「課長失格」の烙印
「なぜ、オレの言う通りにできないんだ!」。しびれを切らした新米課長はトップ営業マンへ逆戻りする。プレーヤーとして自ら数字を積み上げ始めるのだ。このやり方は短期的には成果が上がるだろう。だから、新米営業課長はこう思う。「部下育成なんてまどろっこしい。自分でやった方が早い」と。
これは危険な兆候だ。この罠にはまると「人材育成なんて要らない」という課長になる。しかし、短期的成功は長くは続かない。必ず壁にぶちあたる。そして、外部から見ても明らかに分かるぐらいに部下が疲弊していく。やがて、人材流出が起きるだろう。こうなったところで、この課長に鉄槌が下る。「君は課長失格だ」と。
偉そうに書いてきたが、この新米課長。実は若かりし日の僕のことだ。僕は営業ではなくコンサルタントを束ねる課長だった。しかし、やっていたことは先の営業課長と同じだ。そして、僕は「課長失格」の烙印を押された。全く分かっていなかったのだ。
管理職適性がない、と判断された僕はプレーヤーに戻った。そして再び水を得た魚のように活躍し、高い業績を収めた。すると・・・。何と再び僕は管理職に登用されることとなったのだ。「今度こそ」。僕は思った。「自分で数字を稼ぐのではなく、部下を育てる課長になろう」。僕は部下に自分の経験を教え、指導する育成熱心な課長になった。
・・・続きはこちら
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110513/219953/
─情報元:日経ビジネスオンラインサイト様─