ソマリアの大飢饉、食糧があっても餓死する実態
私は今、7月中旬に国連が「飢餓(Famine)」宣言をしたソマリアで働いています。正確に言うと、ケニアのナイロビにある国連児童基金(UNICEF)ソマリア支援センターを拠点に、月の約半分をソマリア国内各地に出張しながら、ソマリア国内で展開している保健・栄養・水衛生支援事業の統括・管理をしています。
「飢餓」という言葉から多くの人は「食糧がないために人々が飢えて死亡している」状態を想像するのではないでしょうか。
実際に、今回の「飢餓」が宣言されたソマリア南部の2地域では多くの人々が飢えて死亡しています。「飢餓」を宣言する基準として、(1)栄養摂取が1人1日あたり2100キロカロリー未満、(2)5歳未満の子どもの中等度以上の栄養不良割合が30%以上、(3)死亡が1日1万人あたり2人以上、という3つの条件があります。
ソマリアでは2100キロカロリーどころか500キロカロリーにも満たない人はたくさんいます。子どもの栄養不良も50%以上のところ、子どもの死亡も「危機的」といわれる基準の5倍以上のところもあります。
ただし、(1)の条件は「食糧がない」ためではなく、「食糧があっても入手できない」「食糧があっても栄養不良が発生し、死亡数が増加する」という状況があることを知ってほしいと思います。
日本人が知っておきたい
「アフリカ53ヵ国」のすべて (PHP文庫)
約20年間にわたる内戦、無政府状態
もともと荒涼とした半砂漠が延々と続くソマリアは雨が少なく、大部分の地域で年間降水量は平均500ミリメートル以下、中には100ミリメートル以下という場所もあります。雨季は4~6月と10~12月に2回。これらが人々の農業・遊牧による営みを支えています。
四季を通じて水が流れる川は、エチオピア高原から流れてくるジュバ川とシェベレ川のみで、ほかは雨季に短期間、時に短時間だけ水が流れる水無し川です。僻地の診療所などを訪れるとき、未舗装の道、4輪駆動車でこのような水無し川を渡るのですが、雨季に突然スコールのような雨が降ると、川に水があふれて渡れなくなり、数時間待っているとまた水が引けて渡れるようになります。水が引かずに夜を明かした人もいるようですが…。
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─情報元:日経ビジネスオンラインサイト様─