相場英雄の時事日想:
テレビのニュース番組や新聞の経済面で、欧州や米国の財政危機に関する報道が連日扱われているのは多くの読者がご存じの通り。先に当欄でも触れたが、国際金融市場のニュースはどこか遠い存在であり、株式やFX投資を手掛けていない限り、多くの読者には他人事と受け止められるケースが多い。だが、一連の情報を伝える側は“他人事”では済まされない。国際的な金融危機の引き金となった「格付け」を通して、大手メディアの経済報道の最近の傾向を読み解いてみる。
●“直前”に問い合わせ多数
「格付けってなんですか? 簡単に教えてください」――。
今年7月下旬から8月上旬にかけて、内外の格付け会社のもとに、こんな問い合わせが相次いで寄せられたという。
問い合わせの主は、複数の大手在京紙、民放テレビの経済担当記者だ。この時期は、米国債の格下げが根強く懸念されていた時期に合致する。大手メディアの担当記者たちの行動は、米国が経験する初めての格下げという事態に備えるものだったことは言うまでもない。
ガイアの夜明け 経済大動乱 (日経ビジネス人文庫―日経スペシャル)
ただ、ちょっと待ってほしい。経済担当記者ならば、「格付け」は基礎知識として必ずや身に付けていなければならない基本中の基本なのだ。突発的な事件・事故とは違い、知っていて当たり前の事柄と言い換えることもできる。格付け会社の関係者から話を聞いた直後、筆者は空いた口がふさがらなかった。最近の経済ニュースの劣化に憤っていたが、その実状は筆者の想像以上だったからに他ならない。
最近の大手メディアの動向に触れる前に、簡単に格付けのことを説明しておく。
国や大手企業は「債券」を発行する。国ならば「国債」であり、企業であれば「社債」だ。いずれも広く投資家から資金を調達する。国ならば公共投資の財源、企業ならば設備投資向けの資金等に充当することが多い。
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─情報元:Business Media 誠サイト様─