テレビドラマの作り手になりたい人にとって、アンソニー・ズイカーは憧れの的だろう。彼は10年以上前にドラマ『CSI:科学捜査班』の企画原案を手掛け、番組を大ヒットさせた。その才能と影響力をもってすれば、ドラマ界で思う存分に腕を振るえるはず......。
なのに今、ズイカーは活動の場をグーグル傘下の動画公開サイトYouTubeに広げようとしている。YouTubeの有料動画の製作に参加するのだ。
グーグルはこの事業に1億ドルを投じる計画で、YouTubeはズイカーのほかにも、歌手のマドンナや俳優のアシュトン・カッチャーらと契約済みだ。
グーグルの構想が実を結べば、既存のテレビ産業は大打撃を受けかねない。何しろグーグルにはネット接続テレビのプラットフォーム「グーグルTV」や、携帯端末用OSの「アンドロイド」という武器がある。
10年後には世界中で数十億単位の人々がスマートフォンやタブレット型端末を利用しているだろう。彼らはグーグル+のようなSNSで密接に結び付いているはずだ。
コンテンツ黄金時代をもたらす新メディア
YouTubeの有料動画はテレビの新形態というより、前代未聞のメディアと言っていい。番組のスタイルも利益の上げ方も一変する。
グーグルの構想は製作とビジネスの両面で魅力的だとズイカーは語る。「アーティストは製作上の干渉を受けずに、思うとおりの作品を公開できる。(ビジネス面については)有料動画が普及すれば、多くのコンテンツを抱えた人は5~10年後には映画会社のオーナーのような存在になれる」
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http://news.livedoor.com/article/detail/6130604/
─情報元:ニューズウィーク日本版サイト様─