New York Times紙が掲載したFoxconnの実態に関する長い記事が大きな反響を呼んでいる。さほど多くの新事実が明かされているわけではないものの、ここにはAppleがかくも巨額の利益を上げることを可能にした仕組みが容赦なく明らかにされている。
われわれのJohn BiggsがFoxconnを取材した際はその巨大なスケール、今後の戦略などFoxconn自体に焦点を当てていた。私自身はAppleの下請け企業が環境基準を満たしていないことについて書いたが、ここでは主として中国の環境保護当局の怠慢を問題にした。
しかし今日(米国時間1/26)のNew York Timesの記事はAppleが主役だ。Foxconnを支え、成長させた原動力はAppleだという。しかし記事で明らかにされた部内者、関係者の証言は、Appleの行動は是認できないものだとしている。
Appleには値切りの天才がいるという。ネジ一本、ワイヤ一本にいたるまで徹底的に値切り、絶対に必要な以上は1元たりとも払わないですませる。ライバル各社は、デザインと品質同様、Appleのこの値切り能力にも脱帽しているという。
しかし、この記事があまりにも簡単にしか触れていない点がある。Foxconnを下請けに利用しているのはAppleだけではない。Microsoft、Amazonを始め、世界中の有力エレクトロニクス・ブランドがFoxconnの顧客であり、Foxconnに製品の製造、組み立て、仕上げを委託している。以前問題になった従業員の大量自殺が起きたのはXboxの製造ラインだった。記事の記者はHPとNikeは下請け企業の社員待遇を改善させようと努力しているが、Appleはそうした努力をしていないとしている。
もっとも、この点についてはさほど具体的な証拠が明かされているわけではない。とはいえAppleが不当に狙い撃ちされているのでもなさそうだ。Appleの関係者が同社の下請けに対する態度を説明しているところによれば「われわれは〔下請けを労働条件などについて指導するものの〕脅しを実行することはめったなにない」そうだ。先週、FoxconnがAppleの直前の仕様変更にも即座に対応して深夜から組み立て作業を開始してiPhone 4Sを納期に間に合わせたというというニュースが話題になった。こうしたAppleの要求に応えるのは容易なことではあるまい。
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─情報元:TechCrunch Japanサイト様─