景気のさらなる悪化により「ホームレスは確実に増えている」と現場の支援者らは口々に語る。「貧困問題」は、昨今の原発災害や増税問題に掻き消されがちだ。こうした世相のなか、「若者ホームレス支援ネットワーク会議」が26日、都内で開かれた(主催:ビッグイシュー基金)。ホームレス支援の17団体が全国から参加した。
会議には街頭で『ビッグイシュー』を販売しながらアパートへの入居を目指す、ホームレスの男性2人が出席した。
大橋誠一さん(仮名・29歳=実際の年齢)は2000年に札幌の高校を卒業すると、愛知県の自動車部品メーカーで派遣労働者として働き始めた。08年秋、リーマンショックが襲う。大橋さんは住まい(寮)と職を共に失った。
その後、大阪の紙工場に勤めた。手取りは17万円。家賃と食費でほとんどが消え、貯金はできなかった。工場が昨年末、倒産。通話料金が払えなくなり、携帯電話を事実上失った。
上京したが携帯電話を持たないことから職は見つからず、ネットカフェに泊りながら仕事を探した。
支援団体は、大橋さんらのホームレス経験を参考にしながら、今後の取り組み方法を探求した。ある団体はネクタイの解体作業を行っている。実際に賃金が発生するため、ホームレスの支援に結びついているという。この他にも住宅費を軽減するための共同ハウスなどが紹介された。
額に汗して働いていても、勤め先の倒産などにより瞬く間に路上に弾き出されるのが今の日本だ。不運にもホームレスになった場合、支援団体の力を借りながら仕事や住まいを見つけることが得策だ。
「ビッグイシューの販売」で身を立てている大橋さんは「早くアパート住まいになることが夢」と目を輝かせた。
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