2012年10月2日火曜日

iOS6地図は元データや文化の差異ではなく、ずさんなエンジニアリングが原因


今回は森亮さんのブログ『横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama』からご寄稿いただきました。

■iOS6地図は元データや文化の差異ではなく、ずさんなエンジニアリングが原因

iOS6の地図のお粗末さが大変大きな話題となっている。話題にしているのは地図関連の人たちだけではなく、実に広範な人たちである。それほど、スマートフォンにおいては、地図が「欠かせないもの」なのであることを改めて感じる。そして、日本のスマートフォンのおよそ3台に1台がiPhoneであることを考えると、地図をアプリに活用している多くのサービス事業者にも多大な影響が出そうだ。


私も先週のサンフランシスコ出張中にiPadをiOS6へとアップグレードして、その地図を確かめてみた。なるほど、これは品質が良いとか良くないとか言うレベルでは無くて、欠陥商品のレベルである。この状態でiOS6の標準地図として提供するのは、そもそも誤った企業方針である。

ちまたには、データソースがゼンリンではなくてインクリメントPであるからだとか、海外の地図やOpenStreetMapを採用しているからだとか、知ったかぶりのコメントや記事を目にするが、少なくとも今回の問題はデータ提供会社の責任では全然無いレベルで発生している。私の会社では、ゼンリン、インクリメントP双方のデータを業務上扱っており、その品質は知り尽くしている。少なくとも一般利用者の視点からは、その品質差をとうとうと語れるような差異はない。

また、米国と日本との地図の文化の違いだ、という指摘もある。これはあるレベルでは正しいと思うが、少なくとも今回の問題は、文化の違いが原因で発生しているレベルでは無く、ひどくずさんなエンジニアリングによって発生している。ここまでレベルの低い作業を見るに、およそプロの手がかかっているとは思われない。

どういうことかというと、まず、Appleは、インクリメントPから提供された地図データの仕様を正しく理解できていない。都市部でのニーズが高い街区ベースの地図(1/2,500系)の存在がするっと抜け落ちている。そればかりか、測地系の間違いか何かはわからないが、地物(POI)の位置がずれているし、カテゴリの当てはめがデタラメである。

次に、チェックが全くなされていない。地図作成に素人であっても、Googleマップとの比較は簡単にできる。もし、日本の主要都市を数カ所ずつサンプリングして比較を、ただの一度でもしていたのであれば、iOS6の地図が、とんでもない低レベルであることは「一目瞭然」である。つまり、そうした基本的な作業を怠っている。あり得ないエンジニアリングプロセスだ。

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http://news.livedoor.com/article/detail/6995786/
─情報元:ガジェット通信サイト様─