スギ花粉の飛散がピークを迎え、花粉症の人にはつらい季節。マスクや抗ヒスタミン薬などの花粉症対策でなんとか乗り切ろうとしている人も多いでしょう。そんな花粉症に苦しむ方たちに朗報です! 花粉症を根本から治す可能性のある新治療法に大きな展開があるようなんです。それはどんな治療法なんでしょうか?
「『舌下免疫療法』という治療法です。花粉症は患者の免疫が花粉というアレルギー物質(アレルゲン)に過剰に反応して起こるのですが、アレルギーを引き起こすアレルゲンを徐々に体内に入れることで体を慣らし、くしゃみなどの症状を引き起こす免疫が働かないようにします。注射による同様の治療は以前からありましたが近年、舌からアレルゲンを染みこませるという比較的簡易な方法ができるようになったんです。臨床研究では、2年間続けると8割の患者で症状がなくなったり軽くなったりする効果がありました」(日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頚部外科教授の大久保公裕先生)
なるほど、「原因となるアレルゲンに慣れる」という治療法なのですね。実際にはどのようにするのでしょうか?
「具体的には、アレルゲンの入ったエキスをパンに含ませ、朝食前に舌の上に2分間のせるのですが、これを2年間続ける必要があります。また、直後に激しい運動は控えていただく必要があります」(同)
2年、と期間は長いものの、これだけで花粉症を治せる可能性があるんですね! それなら今すぐにでもやってみたいんですが。
「簡単だと思うかもしれませんが、実際はかなり大変ですよ。臨床研究でも途中で脱落してしまう人が相次ぎました。まず、少なくとも1カ月に1回は通院が必要ですし、治療を開始できる時期も限られます。花粉が飛散しているとすでに免疫が反応してしまっていて治療を始められません。これから始めるとなると花粉症が治まる6月くらいから治療することになりますが、症状が出ていない時期に毎日治療を続けるのは、案外難しいものなんですよ」(同)
舌下免疫療法は、これまでは臨床研究として実施している日本医科大学付属病院など限られた施設でしか受けることができませんでした。そのような状況のなか、昨年末、国内で唯一アレルゲンエキスを販売している、鳥居薬品が舌下免疫療法向けのスギ花粉エキスを厚生労働省に承認申請しました。来年にも公的保険の適用になり、早ければ来シーズンの花粉が飛散する前から保険診療として処方を受けられるようになる見込みのようです。
「ただ、この舌下免疫治療法も知識や経験が豊富な医師がまだ少ないです。初年度はエキスも2週間分しか処方できないのでそのつど通院が必要になるなど、まだ課題は多いですね」(鳥居薬品の広報担当)
とはいえ、花粉症を治せるとあらば、2年間我慢する価値は十分にあるかも。さて、花粉症持ちのみなさんは、どうします?
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20130313-00028713-r25
─情報元:web R25サイト様─