2013年6月20日木曜日

職場に責任感など感じるな。あなたがいなくても仕事は回る

過労で体調を崩した方の話を聞くと、しばしば「私がいなくなったら仕事が回らなくなるので…」という嘆きが漏れてきます。


あなたがいなくても仕事は回る

経営者ならいざ知らず、サラリーをもらって仕事をしている人が、こういう責任感を抱いてしまうのは構造的に歪んでいるでしょう。「自分が欠けたら仕事が回らなくなる」のなら、それはあなたの努力不足なのではなく、経営者のリソース配分が狂っているだけの話ですから。なんで自分のせいにするんですか。それは経営者と、会社の仕組みが悪いんですよ。

また、「自分が欠けたら仕事が回らなくなる」というのも、ほとんどの場合、嘘です。みなさんが居酒屋の店長をしていて、体調を崩して「仕事が回らなくなった」としても、それはその日を休店日にすればいいだけの話です。会社全体で見たら、そんなものは誤差の範囲です。あなたが欠けても、ほかの誰かが欠員補充されるのみです。残念ながら。

会社という形態を取るのは、極論、「あなたがいなくても仕事が回る」ようにするためです。ぼくは一人でやっているので、ぼくがいなければ、誰もブログを更新してくれません。でも、会社にしてスタッフを雇えば、一日くらい休んでも、スタッフが代わりに更新してくれます。チームを組むことで、自分がいなくても仕事が回るようになるわけですね。


何故人は自意識過剰に陥るのか

基本的に、「自分が欠けたら仕事が回らなくなる」なんてものは自意識過剰です。冷静に考えれば、自分がいなくても会社は潰れませんし、日々仕事は回っていきます。Appleですら、スティーブ・ジョブズが欠けても普通に会社が回ってるじゃないですか。それが会社の力です。

ではなぜ、人は傲慢な思い込みに浸ってしまうのでしょうか。

それは、彼らが仕事をある種の「癒し」として捉えているからです。彼らにとって職場は存在意義そのもので、職場に行かなければ、自分が生きている意味を保つことができないのです。

職場に行けば、仕事があります。仕事は辛いかもしれませんが、あなたのことを求めてくれる人がいます。そこに行けば、存在意義を見いだせます。成長している気もします。

この「癒し」がエスカレートすると「自分が欠けたら仕事が回らなくなる」という危険な思い込みに至ります。

仕事がある種の「癒し」であることは間違いありませんが、事実は冷静に観測しなければなりません。

あなたにとって、職場は心地よい居場所である。それはOK。でも、あなたはしょせん大きなシステムの一部であって、あなたが欠けても、仕事は回ります。だってあなたは、チームで働いているんですから。それはあなたが無能だとかそういう話ではなく、そういうものなのです。

弱い人ほど、過度に責任を背負い込む傾向があります。あらゆることを他人のせいにして攻撃しまくるのもダメですが、すべてを自己責任に帰結されるのもダメです。

あなたも、ぼくも、そんなに重要な人物ではない。それでいいじゃないですか。自分の人生を生きましょう。

http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/24880
─情報元:ihayato.書店サイト様─