「次の参院選で東京選挙区から立候補する丸川(珠代議員)さんに(当選の)花付けをさせるなんて、あざといですね」
全員当選に浮かれる自民党の石破茂幹事長にこう水を向けたのは、ジャーナリストの池上彰氏(62)。23日夜にTOKYO MXテレビで生放送された「首都決戦2013 池上彰の都議選開票速報」のひとコマだ。
想定外の質問に泡を食った石破幹事長は「あざとくないです!」と気色ばんだが、すぐに“ポーカーフェース”を取り戻し、「現場で(選挙応援を)頑張ったから当然です」とムッとした表情で答えていた。
普段の物腰柔らかいニュース解説者から一変、選挙速報特番では“攻めすぎるキャスター”と呼ばれる池上氏のまさに面目躍如だった。
池上氏は今回の特番を引き受けた経緯について「私は東京都民。都議会の維持には、多額の都税が使われている。都議会議員は都の予算を決める人たち。無関心であってはなりません。そんな思いでこの仕事を引き受けた」と語っている。番組では一般視聴者が理解しにくい都知事と都議会の関係性や、猪瀬知事と“都議会のドン”と呼ばれる内田茂議員(千代田区)の“不仲”の理由についても言及。なるほど! と膝を打つ瞬間も多かったはずだ。
番組を視聴していた上智大の碓井広義教授(メディア論)はこう言う。
「今回の選挙は自民圧勝という流れが事前に判明していたし、大きな争点もなかった。サプライズもどんでん返しもなかった。確かに随所に池上節は感じられましたが、例えるなら、“髪を切るのに鉈(なた)を持ってきた”ような印象でしたね。やはり、池上さんはもっと大きな舞台でこそ本領を発揮すると思います」
7月の参院選では再びテレビ東京の選挙特番のメーンキャスターに内定している池上氏。前回の総選挙の時は公明党に「組織票ですよね?」と突っ込んだり、石原都知事(当時)に「そんなんだから暴走老人って言われるんですよ」とコメントしていただけに、今回の都議選が“肩慣らし”だとしたら、各党は戦々恐々か。
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─情報元:ゲンダイネットサイト様─