本連載は、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に関するトピックを毎週ひとつないし複数採り上げながら、米国シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。今回もアップル。9月20日に各国で発売された新型iPhoneは、初めの週末の3日間で900万台という驚異的な売り上げを記録した。しかしまだ「次」がある。
「3日間で900万台」。米国時間9月23日にアップルが発表した数字には驚かされた。奇しくも同日は、かつてスマートフォンの代名詞とも呼ばれたスマホ時代の開拓者ブラックベリー(旧RIM)の身売りのニュースが出た日。米国のニュースでは、ブラックベリー時代の終焉とアップルの成功を印象づける報道を行われた。
9月20日に発売したiPhone 5sとiPhone 5c、2013年のアップルのスマートフォン2枚看板は、世界で900万台の売り上げを初めの週末に記録した。2012年に発売したiPhone 5は3日間で500万台であったことを考えると、その数字の大きさが際立つ。
iPhoneが9月10日に発表されてから、アナリストはさまざまな予測をしていた。ポジティブに見て600万~800万台という数字が見られたが、iPhone 5s予約を受け付けなかったこと、例年発表していた予約開始後24時間の予約数を今年は発表しなかったことから、予約数は昨年の200万台を下回り、発売後3日間もiPhone 5の500万台を上回れないのではないか、とすらささやかれていた。
しかしふたを開けてみれば、ポジティブ、ネガティブ、両方の予想を裏切る目覚ましい数字が積み上がった。これまで新製品のリークが多数出され、発表会でもアップルがウワサを「追認する」かのようなシーンが多く見られてきたが、900万台というサプライズにはアップルにまんまとしてやられたようでもある。
■iPhone 5sが7割以上?
2機種が発売されるという初めての展開を見せたアップル。注目は、どこで、なにが売れたのか、ということだ。iPhone 5sをハイエンド、iPhone 5cをローエンド改めミドルレンジとして位置づけたアップル。先進国ではiPhone 5sが、中国をはじめとする新興国ではiPhone 5cがそれぞれ中心となると考えられてきた。
モバイル分析の企業Localyticsによると、アクティベーションの分析から、少なくとも発売の初速では、世界中でiPhone 5sが好まれたようだ。 同社は、米国市場では、iPhone 5sがiPhone 5cの3倍以上が稼働していると分析している。第2の市場となる日本では、その傾向はさらに強まり、西ヨーロッパ、オーストラリア、カナダ、中国でも発売直後のiPhone 5cはごくわずかという結果だ(参考記事はこちら)。
より細かく、国ごとにiPhone 5sとiPhone 5cの割合を分析したグラフを見てみると、中国でiPhone 5s比率は91%にも上る。日本は83%、米国とフランスが76%、英国は69%という結果だった(参考記事はこちら)。
こうしてみると、iPhone 5cよりもハイエンドのiPhone 5sが人気を集め、その傾向が最も強いのが中国、iPhone 5cに理解を示すのはむしろ欧米という結果になった。「廉価版」という言葉に踊らされていたが、iPhone 5cにより反応を示すのは先進国が先になった点も、注目すべきだろう。
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http://news.livedoor.com/article/detail/8119304/
─情報元:東洋経済オンラインサイト様─