2013年11月16日土曜日

故人とともに愛用のケータイも葬る新サービスが誕生

 故人を供養するとともに、愛用していた携帯電話やパソコンなどの電子機器も葬る新サービスが誕生した。今月始まった「MISお焚き上げステーション」(北海道千歳市)だ。

 運営団体の一般社団法人「遺品整理士認定協会」の小根英人理事は「高齢者は5~10年も同じ機種を使い続ける。単なる情報機器ではなく、生前の故人が肌身離さず愛用していた“念”のこもった道具。写真や人形、他の愛用品と同じくお焚き上げしたいという声が多かった」と明かす。

 お焚き上げでは、実際に電子機器を焼却させてデータを抹消する。これは遺族の気持ちをやわらげるほかに、合理的な理由がある。小根氏は「ただ単にハードディスクに穴を開けたり、磁気でデータを消し去るというやり方では、データは簡単に復旧される」と話す。

 同施設では、穴を開けて高温で燃焼させ、さらに数日間“寝かせる”ことで完全にデータを消す。「燃やした後、1~2日はまだデータを取り出すことが可能」という研究結果があるということで、焼却後は誰にも手の届かない場所でケータイなどに安らかな最期を迎えさせるという。

 従来、故人のケータイは、販売手続きをしている大型小売店や家電量販店で処分する人も多かったが、そこには危険性もあるという。電子機器業界関係者は「実は直営店以外の業者で『無料で処分』とうたっているところは、預かったケータイを中国など海外にリサイクルとして流す。中国のデータ削除業者の中には、ケータイの中身を悪用するのもいる」と指摘する。

 実際に、故人のクレジットカードのキャッシング範囲いっぱいの100万円を知らぬ間に使われていたという事例もある。

 金銭トラブルに加えて、男性に多いのがエロ関連の問題だ。ハメ撮りや変態エロ動画がケータイの中にあると自覚する人も少なくないはず。「自分に万が一の何かが起こる前に、ケータイやPCのデータを家族に知られず消し去りたいという依頼が多い」(小根氏)

 自らが死んだときの尊厳を守るためにも、大いに考えるべきことだろう。

http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/203421/
─情報元:東京スポーツ新聞社サイト様─