2014年1月24日金曜日

「国家転覆さえ夢想する」ワープア37歳男性の現実


「一億総中流」という言葉は小泉改革以降消え去り、今や「格差」は当たり前の言葉だ。
 アエラ2005年12月19日号の「ハッピー下流人の優雅な生活」という記事。年収300万円のカメラマン男性(当時27)に「あなたは『下流』では?」と尋ねた記者に、男性はこう返す。

「うん、たぶんそうだと思います。まあ、30歳までにどうにかしなきゃとも思いますが、基本的に今が楽しけりゃいい」

 この翌年、フルタイムで働いても最低限度の生活水準を保てない収入の世帯を指す「ワーキングプア」という言葉が社会問題化。「ワーキングプア、絶望からの脱出法」(06年10月23日号)では、日雇い派遣会社5社に登録している法政大学出身の男性(当時37)の声を紹介している。

「(身についたスキルもない、やりがいを実感したこともない。)こういう不満が、テロにつながるんでしょうね。あまりにもばかばかしくて、国家転覆さえ夢想してしまうんです」

 08年のリーマン・ショック以降、格差問題はさらに深刻化。不況感から新卒採用が控えられ、就職難の「氷河期世代」の時代が到来した。

『若者を殺すのは誰か?』の著書がある人事コンサルタントの城繁幸さんは、

「大企業に勤める労働者はごく一部なのに、その人たちを守るための規制が労働市場を固定化しているのが日本の現状です。同じ仕事をしていても、正社員か非正規かで待遇がまったく異なるのでは、健全な社会とは言えないでしょう」

 今後の課題として、こう指摘する。

「既得権益を持っている上の世代と若い世代との『世代間格差』も広がる一方。今の30代と60代以上の世代では、生涯の受益と負担額の差が6千万円以上も違う事実など、世代間格差についても注目が集まると思います」


http://dot.asahi.com/aera/2014012200053.html
─情報元:dot.(ドット)サイト様─