2014年4月8日火曜日

ダイビング男性そばを隕石落下、一歩間違えれば“体が真っ二つ”に。

2012年6月、ノルウェー南東部でスカイダイビングを楽しんだ男性撮影の映像に、専門家が「史上初めて」と驚く貴重なシーンが映っていたことが、最近になって判明した。彼が撮影したのは、ダイビング中の自分のすぐそばを通り過ぎて行った、小さな隕石。光を失った“光っていない”隕石が落下している映像はこれまでにないそうで、彼の動画は貴重な記録として大きな注目を集めているが、少しでもタイミングがずれ、隕石に当たっていたとしたら……。彼は即死していた危険もあったという。

ノルウェー放送局NRKや英紙デイリー・テレグラフなどによると、貴重な映像を撮影していたのは、オスロのダイビングクラブに所属するアンネシュ・ヘルストルップさん。彼は2012年6月17日、ノルウェー南東部の街レーナで仲間たちと一緒にスカイダイビングを楽しんでいた。その最中、パラシュートを開いてすぐに何らかの違和感を覚えていたものの、当時はそれが何なのか全く分からず、着地した後にヘルメット前後のカメラ2台で撮影した映像を確認してみたという。

すると、自分のすぐそばを猛スピードで通り過ぎて行った「石のようなもの」を発見。当初、彼は飛行機や他の人から落ちた機材の一部か何かとも思ったそうだが、よくよく思い返してみると、自分が飛んでいたときは仲間は全員下にいて、乗っていた飛行機もすでに着陸するために移動しており、自分の上空には何もなかった。一体通過していったものは何だったのか、気になり続けた彼はNRKの協力も得て、最近になってオスロ自然史博物館の専門家に鑑定を依頼したそうだ。

そして、映像を見た地質学者ハンス・アムンゼンさんは、「疑いようもなく隕石」と断言。彼は当日、レーナ付近の上空20キロほどで爆発を起こしていた隕石の存在を確認しており、ヘルストルップさんの近くを通過したのは「その一部」だと見ているようだ。

丸みを帯びた側面や、スパッと割れたような断面を備えた石の形の特徴は「隕石特有のもの」と話すアムンゼンさん。ヘルストルップさんの数メートル先を通過した隕石は、燃え尽きて光を失った「ダークフライト」と呼ばれる状態になっていると説明した上で、これが撮影されたのは「史上初めて」だという。

一方でアムンゼンさんは、ヘルストルップさんが一歩間違えれば命を落とす危険もあったと指摘。映像を見たアムンゼンさんは、すぐ近くを通過する隕石を見て驚きを隠せず笑い出し、ヘルストルップさんに「飛ぶタイミングが2秒ずれてたら、あなたは死んでたよ」と話している。見た目は小さな隕石だが、重さ5キロと推定される隕石が彼の体に当たっていれば、その瞬間に「真っ二つ」になってたはずだそうだ。

ともあれ、2年前とはいえ落ちて来た事実が分かったとなれば、今度はその貴重な隕石を見つけ出したいところ。「数十万クローネ(10万クローネは約170万円)」の価値と見られる隕石を求めて、ヘルストルップさんやアムンゼンさんは他の専門家とも協力して落下した可能性のある範囲を絞り込み、捜索活動を行う予定だ。しかし、辺りは森や湿地帯などが広がる場所でかなりの困難も予想されるため、まずはインターネット上などで協力者をさらに募り、捜索に向けた準備を進めるという。 



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