上司から叱られて逆ギレする部下……ならばありそうな気がします。しかし今回のコラムは、逆ギレする「上司」が増えている、ということがテーマ。どうして上司が逆ギレしてしまうのでしょうか?
最近、いろいろなところで耳にする話題のひとつに「逆ギレする上司」があります。逆ギレという言葉は、本来怒られるべき立場にある人が、怒っている人に対して「逆に」怒ってしまう、という意味のはずです。本来なら上司は怒るべき立場、部下は怒られる立場なのに「逆ギレする上司」というフレーズは、言葉の意味としては不思議な感じがします。
しかし、上司であっても怒られる立場になってしまって、だからこそ逆ギレしてしまうという現象が、最近のビジネスの現場ではとても多い様子。マネジメントを任されている立場の人からも「どうしたらいいのでしょう?」と、相談を受けることが多くなってきました。
今日のコラムは、どうして上司は逆ギレしてしまうのか、そして、組織としてどのように対応すれば良いのかについてです。これを読んで「それはオレのことを言っているのか」と、上司である皆さんが逆ギレしないことを祈りつつ、書いてみたいと思います。
自分のやっていることを「正論で」否定されたとき、上司は逆ギレする
ある職場であった話です。長く続いた商慣習ながら、現在のコンプライアンス的観点からは望ましくないことを、部下が是正しようと、いままでのやり方をガラッと変えたというケースがあったそうです。法的に問題がない状態にするという当たり前のことなのですが、その結果、諸条件が以前よりも悪くなり、企業にとっての収益が若干とはいえ損なわれることになりました。
上司は当然、いままでの方法とガラッと変えることに対して、部下に説明を求めます。部下はコンプライアンス的に問題がある取引を続けていては、いずれ大きな問題になる。企業全体の取り組みとして、そういう部分は是正しなければならないと通達があったので、それに則って処理を進めようと思っていると、真っ当な回答をしました。しかし、上司も譲りません。
いままでそれで問題がなかったのであるから、指摘されてからでも遅くない。第一、業界の慣習としてそういうのは多くの企業がやっているし、見逃されているケースだって多い。それなのに、どうしてウチだけ是正するのだ、意味が分からないというのです。売り上げや利益が少なくなるということは、お前たちや私の成績にもかかわるのだ、と。
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─情報元:Business Media 誠サイト様─