突然ですが、お子さんがどんな文房具を使っているか把握していますか? 現役小学校教諭で人気ブログ『教師の寺子屋』を主宰する松尾英明さんの無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』によると、勉強が苦手な子ほど妙な道具を使っていることが多いんだそう。あなたのお子さんは大丈夫?
算数嫌いは道具のせい?
弘法筆を選ばず。
広辞苑によると「本当の名人は道具のよしあしにかかわらず立派な仕事をする。」という意味のこと。
そこで、以前同僚で書道の得意な先生がいたので聞いてみた。「選びませんか」と。すると「そんな訳ないでしょう」と返ってきた。「道具は超重要」とのこと。さらに「先の割れた筆でまともに書ける訳がないでしょう」と。
まあ、当たり前である。良い道具の方が良いに決まっている。前号の、元々能力の高い人であっても、強い装備の方がより強いという話と同じである。道具は大切である。
ところで、4年生の算数で使う道具といえば、分度器である。いわずと知れた角度を測る道具である。この分度器、ものによって使いやすさが大分違う。当たり前だが、分度器は普通透明である。そこに、線が何本入るか、数字がどうかかれているかが大切になる。線が多いほど、読む時には細かい角度まで対応しやすいが、あまり細かいと見にくい面もある。そしてこれも当たり前だが、キャラクターなど余計なものが入っていると邪魔である(一般に、分度器ではほとんど見当たらない)。とにかく、中心をきちんと合わせやすくて、数値が読みやすいものに限る。
ここで、注意してみると、算数が苦手になる子どもほど、妙な道具を使っていることが多い。例えば定規なら透明のものを使わずに、キャラクターの絵がばっちり入っていたりする。筆箱の中身も、相当余計なもので埋まっている。よく観察してみると、下敷きに描かれた大好きな漫画の絵をぼーっと眺めている子どももいる(ただここで注意すべきは、そういう道具を使っても何ら問題ない子どももいる点である。そこで集中を欠いてしまう子どもが、そういう道具を使ってしまっている点をどうにかしたい)。
別の教科でいえば、例えば体育で注意するのは、縄跳び運動に使う「とびなわ」である。例えば1年生などで前回しの初期の練習段階なら、太くて重いひもタイプのロープがいい。柄は短くて力がダイレクトに伝わるものがよい。一方で、二重跳びをするのであれば、細くて軽いビニールタイプのものの方が素早く回せる。柄も長めの方が回しやすい。自転車のギアと同じ原理である。柄が長いと力がいる分、手元の小さな一回転を大きな回転に変換できる(その極端なものの例が、長さ数十mの大縄である)。そして、縄の適正な長さも前回しか二重跳びか、はたまた交差跳び系かで変わってくる。
まだまだあるが、これらの例に挙げたように、レベルにもよるが、合った道具を使うことは上達に非常に大切である。上達が遅い場合、道具の問題はないかという視点も持って指導に当たりたい。
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─情報元:まぐまぐニュース!サイト様─