2015年6月24日水曜日

JRの運転士が「水を飲んだら報告」だった理由

 6月7日、JR東海が今月から「乗務中の水分補給について報告を不要にした」との報道がなされた(関連リンク)。ネットでは「運転士は自由に水も飲めないのか」という同情の声。また、報告事項については、これまで乗客からの苦情の有無も必要とされていた。これも「乗客の方がクレーマーだ。そんな声を真に受けたJR東海もひどい」という論調も見られた。
 この件についてJR東海の広報に確認したところ、報道内容は事実という。また、水を飲むルールそのものを変更したわけではなく、報告を不要としただけ。今までもこれからも、走行中は飲めない。列車の操作機器から手を離してしまうからだ。これは私たちがクルマを運転するときと同じ。そして、今までもこれからも、運転していない間は飲める。そこから先の乗務終了後の処理が変更点だ。業務報告書を提出する際に、チェック項目の下に2行から3行の記述スペースがある。そこに先月までは「○時○分、□□駅で飲水。乗客苦情無し」などと書く義務があった。それが今月から不要になった。
乗務中に水を飲むには報告が必要という内規があった(写真:足成)乗務中に水を飲むには報告が必要という内規があった(写真:足成
 もう1つ質問してみた。
 「この決まりはJR東海の発足時からでしょうか」
 「いや……いつからという明確な時期は分かっていません」
 「国鉄時代からの慣習ではありませんか」
 「何とも言えないです」
 旧規則が始まった明確な時期が分からない。ということは、給水が原因で大事故が起きたという記録もないわけだ。運転士の給水がきっかけで、乗客から大きなクレームが入り問題になったわけではない、ともいえる。
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─情報元:ITmedia ビジネスオンラインサイト様─