YouTube/HubbleESA
先日、欧州宇宙機関(ESA)によってまるで天使が翼を広げたような、美しい姿の星雲が公開された。
「へびつかい座」の双極性星雲
これを撮影したのは「ハッブル宇宙望遠鏡」。地上約600km上空の軌道を周回しており、大気や天候の影響を受けずに精度の高い天体観測を可能としているものだ。
公開された画像は地球から5560光年離れた「へびつかい座」星団の中にあるとされる双極性星雲で、「PN M2-9」または「Twin Jet Nebula(星雲)」と名付けられている。
死を迎える瞬間を写した画像
翼のように見えるのはローブ(ガス雲)とされ、プラズマなどの高エネルギー粒子を放出する宇宙ジェットと呼ばれるものによって、螺旋を描きながら時速約100万kmで広がっているという。
ガスは熱せられイオン化され星からの紫外線によって輝いており、酸素や水素、窒素などによって青や緑や赤やオレンジなどの色を放っているそうだ。
さらに光の中心には互いの重力で好転し続ける2つの白色矮星があると考えられ、これは太陽と同じ質量の星がまさに死を迎える瞬間を捉えたものとされる。
とはいえ天文学者らは、この状態が今から約1200年前に出現したと考えているようだ。
1947年に天文学者によってすでに発見
またこの「PN M2-9」は、超新星や電波天文学の分野で活躍したドイツ生まれの天文学者、ルドルフ・ミンコフスキーにより1947年に発見されており、1990年代にもハッブルによって撮影されていた。
しかし中心にある2つの星が100年ごとに互いの回りを公転しながら、宇宙ジェットの方向をゆっくりと変化させ、わずかに形を変えているとも言われている。
天使の翼のように、または蝶の羽のようにも見える双極性星雲。死にゆく様子がこのように美しい姿に見えるとは、なんとも残酷で不思議な現象と言えるかもしれない。
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