2015年11月27日金曜日

今からできるWebコンテンツの次のコト

10月25日、仙台で The NEXT WEB CONTENT 2015 が開催されました。主催である株式会社インフォアクシア設立11周年記念として、Web アクセシビリティを中心に、デザイン、ユーザビリティ、SEO など、Web に関わる様々な話題を扱ったイベントになりました。トピックは広く浅いわけですが、異業種の専門家が集まることで、新たな視点の発見や共通点を見つけることができました。
本イベントの様子は Togetter #tnwc2015 をご覧ください。

Web利用は『終わった』のではなく『変わった』

ここ1年「Web は終わった」というニュアンスが含まれた話題を国内外で耳にします。Mashable が「Web Design is Dead(Web デザインは死んだ)」という記事を公開して話題になりましたし、アプリの利用時間の急増から「The Web Is Dying; Apps Are Killing It(Webは死にかけている; アプリが殺している)」 のような記事も公開されました。
それを裏付けるようなデータも幾つかあります。今年の夏、米 Yahoo! が公開したスマートフォンの利用時間のデータを見ても、Web ブラウザの利用は著しく減少していますし、日本でも似たような傾向を示しています。また、利用パフォーマンスを著しく悪くする広告が多数存在することから、Web サイトの利用が徐々に遠い存在になりつつあります。すぐに見れない Web サイトより、軽快なアプリを選ぶ消費者は増えています。
米国のスマートフォンの利用時間を示したグラフ
しかし、利用時間だけで Web ブラウザの利用が減ってきていると判断するのは軽率です。今月 Google は、モバイル端末からの検索数がデスクトップを超えたと発表しました。また、今は Web サイトへアクセスする方法は Web ブラウザだけでなく、ソーシャルメディアやメッセージをはじめとしたアプリもあります。
情報アクセスの入口が多彩になりましたが、目的地としての Web サイト、又は Web にある情報は今でも必要とされています。ただし、それがデスクトップ中心の時代から培われた Web サイトの構造が今でも最適なアプローチなのかという疑問が残ります。滞在時間が少なく、複数の画面を回遊するという行動をしなくなったユーザーと、トップページから順に見せようとする従来のサイト設計との間には、大きなギャップがあると思います。
1画面しか見ない利用者と、回遊を必要とするWebサイト

テクノロジーで変わるデザインアプローチ

利用者の行動と回遊を必要とする Web サイトのギャップを埋めるために、今年の初めに提唱したコンテンツをスマートにするという考え方が有効だと思います。今後、利用者の文脈に合わせてきめ細かなコンテンツ配信が必要になります。そのためには CMS でのコンテンツ管理もページという大きな単位ではなく、小さくコンテンツを切り分けて管理して、組み合わせが自由な仕組み作りが必要です。
しかし、スマートにするための方法は CMS だけではありません。ここ 1, 2 年で広く使えるようになった Web 技術を使うだけでコンテンツをスマートに変えることができます。例えば、特定の場所からアクセスした場合、特別なコンテンツを出したり、コンテンツの優先順位を変えることが可能になりました。
アプリより Web サイトが遅れているなと感じるところのひとつに、Web サイトは未だに静的な部分が多いところがあります。レイアウトやデザインが少々違うことはありますが、訪問した人はすべて同じ Web サイトを見ているわけです。本当であれば、アクセスした人の文脈(例えば時間や場所)に応じてカスタマイズされるべきですが、まるで紙媒体のように同じものが表示されているわけです。


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http://www.yasuhisa.com/could/article/tnwc2015/
─情報元:couldサイト様─