岡村 ……いえ、もちろん、切ったり刻んだりは日頃からしてたんですよ。でも、「する」ことはなかった。ただ、食事は毎日のことですから、バリエーション豊かに、今日はあれを作ろう、明日はこれを作ろうと、さまざまなレシピを見るんです。すると、料理によっては「すりおろす」ことが必要だと。

 あるいは、この間、うどをいただいたので酢味噌で食べようと、どうやって調理するのか調べてみると、まずは酢水に浸すとあって。そうなると、やっぱりちょっと面倒くさくなってしまうんです。作るのはいいんですが、後片付けを考えると、手間がかかるなあって。日々料理と向き合っていると、いろんな気持ちになってくるんです。

土井 あのですね、答えることはたくさんあって。どこからどう答えようかと思いますが(笑)。まず、家庭料理をきちんと作ろうという姿勢は素晴らしいと思います。思いますけど、料理というものに対する思い込みに囚われすぎ。

岡村 囚われすぎていますか。